投稿者プロフィール
投稿者(ペンネームorイニシャル):HO
進学予定校:INSEAD (class of July 2017)
・ カテゴリ:MBA
・ 地域:ヨーロッパ/アジア
・ 受験校:INSEAD, Oxford Said, Cambridge Judge
・ インタビュー実施校:INSEAD, Oxford Said, Cambridge Judge
・ 合格校:INSEAD, Oxford Said, Cambridge Judge
・ 性別: 女性
・ 出願時年齢:30歳
・ 海外経験と期間: 旅行や短期の出張・語学留学のみ
・ 費用:私費
・ 奨学金: 取得済み (INSEAD Diversity Scholarship 20,000 EUR)
・ 最終学歴:国内・国立・大学院・理系
・ GPA: 学部3.7/4.0、修士3.9/4.0
・ 受験した試験と出願スコア: GMAT:750(V39/Q51/IR8/AWA5.0)/IELTS:8.0(L8.5/R9.0/W6.5/S7.0)
・ 塾(試験対策): Affinity, UK-PLUS, Australian Club
・ カウンセラー: Jeff Roah, Matthew Aldridge
Introduction
Q. バックグラウンドや職務経験などについて、教えてください。
東京郊外育ちの純ドメ。生まれて初めて海外に行ったのは21歳の時でした。理系の博士課程を中退後、26歳で外資系経営戦略コンサルティングファームに新卒入社。数年勤務した後、ソーシャルベンチャーに転職。半年後に退職し、数ヶ月ニートしながらMBA受験を徐々に決意。その後は某NPOで経営企画の仕事をしながら受験準備を進めました。また、出願の約2年前から別のNPOでもプロボノ活動をしていて、東南アジアのマイクロファイナンス機関向けのファンド企画・管理などをやっています。
Why MBA?
Q.なぜ、MBAに行こうと思ったのですか。(そのきっかけや理由を教えてください。)
海外経験を積みたい、というのが単純だけど最大の理由。これまで旅行や語学留学など短期の海外経験しかなく、まとまった期間を海外で過ごしてみたかった。30歳・既婚・共働きでそのうち子どもも欲しいと思うと今のうちに行かないとチャンスを逃すと思いました。また、大学院時代に参加した国際研究会やコンサルファームのglobal trainingで経験した、いろいろな国の人が集まって議論する熱気が強く印象に残っており、自分ももっとちゃんと英語でいろいろな国の人と議論して一緒に物事を進められるようになりたかった。ビジネス全般について一度体系的に学びたいという思いもあり、総合的に考えてMBAはちょうど良いパッケージだと判断しました。
Preparation for MBA application
<概論>
Q.MBAを考え始めてから、実際に受験するまではどのようなスケジュールで準備をしましたか。
夏にようやく受験をちゃんと決意したので、事実上9月〜2月の半年間がすべてでした。これは残業がなく融通がきく仕事をしていたから可能だったのだと思います。
2015年5月: 日本語の参考書で問題形式をざっとさらった上でIELTS受験1回目、スコア7.5 (L8.0/R9.0/W6.5/S6.5)。Overallは7.5取れてクリアしたが、Oxfordの全セクション7.0以上という要求をクリアするために受験継続。
2015年6,7月: 明確な受験意思が固まりきらないまま、特に何もせず。
2015年8月: 結局ろくに勉強も対策もしないままIELTS受験2回目、スコア7.5 (L8.5/R8.5/W7.0/S6.5)。Speakingだけ届かず。8月末からようやくGMAT勉強を開始。この時点で既に志望校は欧州一年制のOxford, Cambridge, INSEADに絞っていた。
2015年9月: AffinityのCRクラス受講(通学)。GMAT OGのCR, Mathをちまちま解く。IELTSはListening, Readingは心配要らないことがわかったので、Skypeレッスンや通信添削講座も利用しながらSpeaking, Writing対策をする。
2015年10月: IELTS受験3回目、スコア8.0 (L8.5/R9.0/W6.5/S7.0)。今度はSpeakingが届いたのにWritingが届かず(結果としてはこれが出願スコアになる)。ケチらずに数打てば当たるだろう作戦に出ることにして、年内に受験可能なIELTSを全部申し込み。AffinityのSCクラス受講(Web)。GMAT OGのSC, RC, Mathをちまちま解く。
2015年11月: GMAT Prepで760取れたのでAWAの準備に移行。テンプレートを自分なりに整理。GMAT受験1回目でスコア750 (Q51, V39, IR8, AWA5.0) を取得し、GMAT終了。IELTS受験4回目、スコア7.5 (L8.5/R8.5/W7.0/S6.5)。今度はSpeakingが届かず、ため息。IELTS受験5回目は会場を間違えて遅刻して受験できず。Oxfordのadmission officeに「複数回合わせれば全セクション7.0あるし、Overallスコアは8.0あるから、これでOKにしてもらえないか」と問い合わせたところ、OKとの回答を得る。もう申し込み済みの受験料は捨てることにしてIELTS終了。11月中旬からようやくresumeを書き始め、essayカウンセラーを探し始める。先輩・友人に勧められたEd義塾、Reveから「もうキャパいっぱいで無理」と断られ、焦って多数のカウンセラーに連絡したところ、今度は選択肢が増えすぎる。Adam Markus, Round One, John Couke, Jeff Roahとそれぞれミーティングした上で、Jeffにお願いすることに。11月下旬からようやくessayを書き始める。推薦状を依頼する人を決め、2名とも快諾していただく。
2015年12月〜2016年1月前半: 12月上旬にINSEAD Singaporeキャンパスを訪問。Essay内容のメドがついてから推薦状の内容を打ち合わせしよう、なんて思っていたら12月中旬になり、とにかくお願いする(失礼)。年末年始もあるから大丈夫だろう、という気分でいたら、年末年始はひたすらessay執筆予定の自分と違って、推薦者には家族旅行などの予定があることに気づき、大変申し訳ない展開に(超失礼)。一旦出来上がったつもりのessayいくつかを友人に見せたら大量のダメ出しを受け、練り直す。年末年始はひたすらessayを書き、Oxford, INSEADの卒業生やMBA受験経験者の友人に見てもらってコメントをもらいつつ、なんとか仕上げる。さらに推薦者を年末年始真っ只中に巻き込みながら(超迷惑)推薦状も仕上げる。1月8日にOxford, Cambridge、1月13日にINSEADに出願。すべて3rd round、ただし全体で4-6th roundまであるうちの3rdなのでUSスクールの2ndと同程度の位置付けだと思う。
2016年1月後半〜2月前半: 出願後、少し休んでからインタビュー準備を開始。ぶっつけで一度カウンセラーと練習してみたらズタボロで、練習の必要性を痛感。友人から勧められたMatthewとSkypeで何度かレッスンしつつ、オーソドックスな質問への答えを声に出して練習する。めでたく出願した3校すべてインタビューに呼ばれる。
2016年2月後半: 渡英して2月15日にOxford on-campusインタビュー、フランスに移動して2月17日にINSEAD Fontainebleauキャンパス訪問、イギリスに戻ってロンドン観光の後、2月22日にCambridge on-campusインタビュー。帰国してからINSEADのalumniとインタビューx2件。INSEADのscholarship応募用essayを〆切数日前にようやくちゃんと書き始め、カウンセラーに急いで直してもらって提出。
2016年3月: めでたく3校すべて合格。INSEADに進学決定。
Q.大学院や受験方法についての情報収集はどのようにして行いましたか。(Info session, OB/OG訪問、Campus Visitなど)
試験対策やessay/interview準備についてはネット上の体験記やブログを読み漁ったり(単にネットサーフィンとも言う)、先輩・友人におすすめを聞いたりしました。
各スクールについては、公式ウェブサイト、公式Youtube動画、日本人在校生が運営するサイトを主な情報源として読み込みました。在校生・卒業生のブログも読み漁りました。INSEAD, Oxfordは東京で行われたinfo sessionに参加し、卒業生の友人・先輩にも話を聞きました。出願校はすべてcampus visitしましたが、出願前に行ったのはINSEAD Singaporeのみで、INSEAD Fontainebleauは出願後インタビュー前に訪問、Oxford, Cambridgeはインタビューに合わせて訪問しました。情報収集というよりもキャンパスや街の雰囲気を確認するのが主目的でした。
Q.MBA受験準備にかかった費用について、教えてください。
あまり計算したくないですが、、、渡航費も含めると150万円弱です。振り返れば、試験受験料、教材費、予備校代、カウンセラー代は工夫次第でもっと節約できたと思います(と書いてみるともはや渡航費と出願料を除いてほぼすべてですが)。
Q.MBA留学にあたって、必要費用(受験費用や、進学後の授業料・生活費等)はどのようにして調達しましたか。
貯金切り崩し + 奨学金 + 家族に借金(これが大部分を占めます…感謝)
<スコアメイク>
Q.以下のそれぞれの項目について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
・ TOEFL・IELTS(科目別(R/L/S/W)の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
最初から欧州スクール狙いであり、特にOxfordの鬼畜すぎるEnglish RequirementがTOEFLよりIELTSの方がまだマシだったため、IELTSを選択しました。TOEFLは一度も受けていません。まず「新セルフスタディIELTS完全攻略」という参考書をざっとやりました。Writing, Speakingはスコアが足りなかったので追加で対策しました。
<Listening, Reading>
安定して8.0以上取れたので対策不要でした。
<Writing>
鉛筆で手書きなのがつらいです。誰かに見てもらわないと練習する気がなかなか起きないので、UK PLUSの添削通信講座を利用しました。採点criteriaの4項目に沿って採点してくれるのが良かったです。アドバイスとしては、採点はあくまでcriteriaに沿って行われることを強調したいです。あくまで英語のテストであり、大げさに言えば内容はどうでもいいので、特にTask2は自分が書きやすい内容を書いてしまうのが良いです。GMATのAWA対策と並行してやっていると、ちゃんと論理的に筋の通った文章を書かなくてはと思ってしまうかもしれませんが、IELTSにおける”Coherence”の基準はGMATよりだいぶゆるいです。
<Speaking>
「Speaking for IELTS」という書籍のCDをシャドーイングしました。本番はとてもこのCDのようには話せませんでしたが、使える言い回しのストックを増やすのに有効でした。CDを聞いているとListening対策にもなると思います。加えて、Australian ClubというところでIELTS Speakingに特化したSkypeレッスンを何度か受けました。採点criteriaに沿ったフィードバックをもらえるので参考になりました。Rocco先生はおすすめです。こちらもWritingと同じく、あくまで英語のテストなので、嘘でもいいから話しやすいことを話しましょう。
<試験当日>
朝に弱い私には土曜午前中の試験はつらかったです。眠気と戦いながらListeningをこなし、Readingは自信があったのでなるべく早く終わらせて、最後の10-15分ほどは次のWritingに向けて休憩したりトイレに行ったりしました。Writingは空腹と戦いながら必死に鉛筆で英文を書きなぐり、終わる頃はぐったりでした。前日は鉛筆を削ったら早く寝て、朝ご飯もちゃんと食べましょう。
・ GMAT・GRE(科目別の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
<Math>
理系かつ中学受験経験者だったので、数学関連の英語表現さえ覚えれば特に問題ありませんでした。マスアカ少しやってみたけど不要でした(見つけた誤植をいくつか指摘したら著者から感謝されましたが)。Verbalの勉強の合間に気晴らしがてらOGをちまちま解きました。Prepも本番も51で、時間は20分ほど余りました。
<Verbal>
SC: Affinityの戦略クラスをWebで受講しました。効率的にポイントを学ぶことができ、とても役立ちました。OGも解きました。
CR: Affinityの戦略クラスを通学で受講し、その中でOGも解きました。CRは得手不得手が分かれますが、私は相性が良かったので正直受講しなくても良かったかなと思います。ただ、通学することでGMAT対策、ひいてはMBA受験全体に本腰を入れる良いきっかけになりました。
RC: OGを解きました。
全体:「知らない単語があったって答えは選べるはず…」と念じながら解きました。難しくて悩んでしまう問題は、結局時間をかけても誤答に終わることが多いと感じたため、手応えがないまま時間がすぎる場合は半ばあきらめて次に進むようにしました。それ以外の細かい時間配分は特に気にしないでPrepを解いてみたらほぼ時間ぴったりで終わったので、本番もそのノリのまま、残り時間をほとんど見ないで解き、やはりほぼ時間ぴったりで終わりました。
<IR>
GMAT Prepをやってみたらほぼ時間ぴったりで8取れたのでそれ以上は何もせず。数学系の問題と読解系の問題があり、おそらく多くの日本人にとって前者の方がだいぶ簡単なので、時間が足りない場合は読解系を飛ばして数学系をちゃんとやるのがいいと思います。
<AWA>
Affinityの1日セミナーを受講しました。そこで「body paragraphは無理に3つ書かなくても2つでも問題ない」と言われたので、Verbalに向けてエネルギーを温存するためにも2つで行くことにしました。Affinityの例を参考に自分なりにテンプレートを整理して備えました。また、GMAT公式サイトからArgument一覧をダウンロードし、パッと読んで論点が2つ以上思い浮かぶか確認しました。量が多すぎてすべて読み終わりませんでしたが。(なお、INSEADではAWAスコアは選考に影響しません。)
<Essay & Interview>
Q.上述のカウンセラーに決めた理由、及び当該カウンセラーに対する感想を教えてください
11月中旬からカウンセラーを探し始めたのはさすがに遅すぎて、Ed義塾、Reveからは「もうキャパいっぱいで無理」と断られました。他のカウンセラーも問い合わせると必ず「スコアメイクは終わっているのか」と確認され、「GMATスコア750取得済み。残業ない。3校しか出さない。」と伝えると「それなら間に合う」という反応でした。カウンセラー選びは相性が大事と聞いたので、Adam Markus, Round One, John Couke, Jeff Roahとそれぞれミーティングしましたが、一度ミーティングしたくらいでは相性もよくわからないと感じました。できれば短いessayのドラフトを準備して見せて、その反応を見極めるといいのかもしれません。結局、東京で対面ミーティングできること、過去にクライアントだった友人から悪い話は聞かなかったこと、さらに費用面を考慮してJeffにお願いしました。
私はessayを書き始めたのが遅く、じっくりカウンセリングするどころではなくとにかく書かないといけなかったし、Jeff曰く「他のapplicantと比べて最初からネタがちゃんとできていた」そうなので、正直言って彼の本当の力量はよくわかりません。良いところは、クライアントの意思を尊重して書きたいペースで書きたいように書かせてくれること、文章力が高くてクライアントが書きなぐったドラフトを必ず制限語数内できれいに整えてくれること、繁忙期でも迅速に対応してくれること。悪いところは、良くも悪くもlaid-backでいい加減なこと(文章表現以外)、各校の事情にはあまり詳しくないこと、そして少なくとも私の場合は、文章表現以外の内容面でのツッコミやガイダンスは物足りず、Jeffより友人の意見の方が役立ちました。
インタビュー対策はMatthewとSkypeレッスンをしました。彼のスタイルは想定問答集を暗記するのではなく、コアストーリーをしっかり作った上でどんな質問もそれに沿って答えるようにするというもので、私にはとてもしっくりきました。Skypeで練習しておくと対面のインタビューが楽に感じるのでおすすめです。
Q.以下のそれぞれの項目について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
・ エッセー
出願する3校のEssay課題を並べて取り組む順番を考え、基本的にCambridge→INSEAD→Oxfordの順に進めました。Oxford, Cambridgeはessay課題とは別に、Application form内にほぼessayと同レベルの質問があったので要注意。3校の中ではINSEADが量・質ともに最も難関でした。
私にとってMBA受験で一番大変だったのは間違いなくessayで、特に書くネタを決めてストーリーを考えるのに予想以上に時間がかかり、苦しみました。逆に、それさえ見えてくれば、とにかく書きなぐってカウンセラーに整えてもらえばどうにかなりました。このサイクルが1,2回で終わった課題もあれば、何度も練り直した課題もありました。
どんなカウンセラーに頼んだとしても、essayはあくまで自分で考えて自分で書くものだという意識を強く持つことが大事だと思います。ネタは自分の中にしかありません。また、カウンセラー、卒業生、友人、推薦者などからいろいろ意見をもらっても、どれを取り入れて反映するかは自分で責任持って決めるしかありません。私は友人からダメ出しされて練り直したessayもありますが、自分ではそれでいいと思ったのでそのまま出したものもあります。INSEAD卒業生からは「キャリアプランつまらないから変えた方がいい」という根本的なツッコミを受けましたが、取り繕ってもインタビューで貫ける気がしなかったし、変えずにそのまま出しました。
・ 推薦状
1通目はコンサルファームの元上司、2通目は2年ほどプロボノ活動してきたマイクロファイナンス関連NPOの仲間(代表理事)にお願いしました。ただし、Cambridgeは推薦状一通のみなので元上司のみ。2人ともMBA受験経験者だったので推薦状とは何か等の説明は不要でした。
スクールによっては推薦者が現上司ではない場合はその理由を簡単に説明する必要がありました。現職場は2015年夏から働き始めたばかりで、さらに仕事内容に応じて複数の人にreportingしているためmeaningful referenceを書ける人を一人選ぶのが難しいこと、加えて、コンサル時代の元上司は複数のプロジェクトでのdirect supervisor、かつmentor/advisorであり推薦者として適任であることを説明しました。どのスクールも現職の仕事内容についてessay, application formで説明する機会があったため、現職よりも長期間たずさわっていた前職&課外活動について推薦状をもらえたのはバランスが良かったと思います。
1通目は元上司にネタ出しとラフなドラフト作成をしてもらいつつ、自分でもネタの補強をして、文章は概ね自分で仕上げました。ドヤ顔で自分の推薦状を書いていると落ちる気がしなくなってきます。最後はカウンセラーに英語を直してもらい、元上司に確認してもらって完成、という流れでした。依頼が遅かったため、年末年始の海外旅行や帰省にもPCを持参して対応していただくなど、元上司には(そしておそらくご家族にも)多大なご迷惑をおかけしました。ここまでお世話になったら絶対落ちるわけにはいかないと思いました。
2通目は推薦者が日本語・英語問わず文章を書くのに慣れている方で、かつ、自分の名前で出す文章は自分で書くことを好む方だったので、ほぼお任せでした。こちらもお正月真っ只中に書いていただき、大感謝。
執筆は推薦者にお任せの方がもちろん楽ですが、当然ながら自分で手を動かす方が内容のコントロールはしやすいです。また、推薦状の内容はスクールによって微妙に異なるので、直前に出願先を増やすと推薦者も巻き込むことになり、自分だけでは決められない場合があります。逆に推薦状を書いてもらったのに結局出願しなかった、というのも申し訳ないですし、推薦者の事情を考慮しながらよく考える必要があります。(私自身は出願先がはっきり決まっていたので問題ありませんでしたが。)
・ インタビュー
Essayでやや燃え尽き、出願後しばらくやる気が出ませんでしたが、インタビューをあまく見て落ちる日本人は少なくないと聞き、なんとかやる気を振り絞りました。実際、絶対にあまく見ないで練習した方がいいです。練習すればするだけ自信がつき、本番で余裕が出て、練習していなかった質問にもその場で対処できるはず。
オーソドックスな質問に対する答えはあらかじめ考え(原稿を作ったわけではないです)、声に出して話す練習をしました。友人に勧められたMatthewと何度かSkypeレッスンし、録音して聞き直して(耳をふさぎたくなりますが…)自分の悪い癖を把握して直すように心がけました。
Oxford, Cambridgeは現地に行ってインタビューを受けました。キャンパスを実際に見ておきたかったし、英語でSkypeインタビューは不安が大きかったので。たくさんのapplicantが集まる、いわゆるInterview dayに参加しました。Oxford, Cambridgeどちらも自分のインタビューの順番が早く終わり、あとはリラックスして楽しむことができました。選べるなら早めがおすすめです。インタビューは30分程度で、あっという間でした。
INSEADは東京でalumniとインタビューでした。Admission officerから2名のalumniをアサインされ、自分でalumniと直接連絡を取ってインタビューをスケジュールします。私の場合、1名は日本人女性で、彼女のマンションのロビーで週末に一時間ほどインタビュー、もう1名はベルギー人男性で、彼の職場の会議室で平日夕方に一時間ほどインタビューをしました。2名のうち1名はprofessional backgroundが近い人をアサインすると聞いていたので、コンサルに詰められるのでは…とびびっていましたが、なぜかお二人とも一貫して製薬・ケミカル業界の方でした。INSEADが私の経歴を勘違いしたのでは、とすら思いましたが、真相はわかりません。相手が日本人だとインタビューは日本語と英語のミックスになります。ほとんど日本語で終わる場合もあるそうですが、私はお相手が帰国子女だったこともあり、ほぼ英語でした。お二人ともとても素敵な方々で、インタビューはfriendlyな雰囲気で進みました。
Q.エッセー及びインタビューを通じて、自己PRとして、どのような内容をアピールしましたか。
仕事・学業・課外活動すべてにおいてあまり他のapplicantとかぶらない経験があったのでネタはありましたが、支離滅裂で計画性のない経歴だったため、ストーリーをつなげるのに苦労しました。Oxford卒業生の友人にEssayを見せた時にもらったフィードバックが大きなヒントになり、自分の経歴と今後のプランをうまくまとめられるようになりました。自分ではダメダメだと思っていたことでも、少しちがう角度から見るとアピールポイントになりうると気づかされ、嘘をつかずに素直に書き・話しつつも筋の通ったストーリーを語ることができました。大感謝。
Resumeでは戦略コンサルでの3年弱がbusiness personとして最長でメインの経験でしたが、essayのネタにはほとんど使いませんでした。守秘義務の厳しい仕事なのでネタに使いにくいという事情もあり、気づくと他のネタを使ってしまっていました。全然ふれないのも不自然な印象を与えるのでは、と迷ったりもしましたが、ファーム名を見れば通じるからわざわざ説明する必要もないだろう(説明しないと通じない経験を語る方がいい)、コンサル出身applicantは他にもたくさんいるのだから差別化を重視する方がいいだろう、コンサル元上司からの推薦状があるからそれで十分だろう、と考え、あえてそのまま行くことにしました。Interviewにおいても、だいたいどのinterviewerもresumeを見ながら「あぁ、あのファームでコンサル数年ね」という感じの「わかっている、通じている」反応をしていて、あまり質問もされませんでした。
具体的にアピールした内容や使ったネタは、academic/business/socialという複数のセクターを経験していること、仕事・課外活動を通じてさまざまなチームで働いた経験があること&チームに応じてflexibleに役割を変えてきたこと、日本有数のNPOでFounder/CEO直下でさまざまな経営課題に取り組んだこと、コンサルだけでなく事業会社(NPOですが)を経験していて実行段階の理解があること、東南アジアのマイクロファイナンス機関向けのファンド組成を始めとする課外活動でのリーダーシップ経験&海外との接点、子どもの頃からの夢だった科学者の道をあきらめた経緯、男性の多い環境で長く過ごした経験に基づくジェンダーに関する問題意識、などです。
<学校選択>
Q.受験校はどのように選択しましたか。
International diversityを重視して欧州スクールに絞り、さらに一年制プログラムに絞ったのでもともと候補は多くありませんでした。出願したINSEAD, Oxford, Cambridgeの他にはIE, IMDが当てはまりますが、IEはスペイン語文化圏に特別な興味があるわけではなかったので外し、IMDはclass sizeが90人で小規模すぎると感じたので外しました。
Q.進学校の決め手は何でしたか。
当初はINSEADよりも英語圏の総合大学の中で学べるOxford, Cambridgeに惹かれていて、特にSocial Impactに強いOxfordに魅力を感じていました。が、「MBAはclassmateの質が最重要。優秀なclassmateが集まるランキング上位に行くべき」「Oxford, CambridgeにMBAなんてあったっけ?」「ヨーロッパならLBSかINSEADでしょう」という助言やリアクションを多数受け、徐々にINSEADに傾いていきました。最終的にはCampus visitが決め手になりました。Oxford, Cambridgeはさすが伝統のある大学でとても素敵なところでしたが、やはりビジネスよりもっとacademicなことをやるための場所という印象を受け、ここに来るならMBAじゃなくてscientistとして来たかったな…とどうしても思ってしまいました。INSEADは総合大学ではなく単体のビジネススクールなのでキャンパスはコンパクトですが、建物はMBAのために設計されているのでとても機能的で使いやすそうでしたし、何よりもSingapore, Fontainebleauともに雰囲気が非常にしっくりきました。ここで日々を過ごす自分の姿をすんなり想像することができ、fitを感じたのが大きな決め手になりました。
<その他>
Q.キャンパスビジットを行った場合、実施時期や内容について教えてください。(ビジット実施校、実施時期、実施内容、訪問した人、選考においてどのような効果があったか、など)
出願した3校はすべてcampus visitしました。わざわざお金をかけて夫婦別居して留学するのだし、海外生活に不安もあったので、必ず現地の雰囲気を確認してから進学先を決めようと考えていました。Oxford, Cambridgeは東京で対面インタビューを実施せず、on-campus or Skypeの二択と聞いたので、どうせ訪問するならインタビューに合わせて2月に行こうと考え、それに合わせてINSEAD Fontainebleauキャンパスも行くことにしました。INSEAD Singaporeキャンパスはシンガポールなら安心だし行かなくてもいいかなと最初は思っていましたが、やはり行ってみたくなり、出願前の12月上旬に訪問しました。INSEADはどちらのキャンパスでも授業見学させてもらいました。Campus visitはお金も時間もかかりますが、個人的には行って良かったと思います。
Q.奨学金に応募をした場合、奨学金の内容や応募方法などについて教えてください。
受験を決意したのが遅かったため、日本国内の奨学金はほとんど応募〆切を過ぎていて、各スクールのscholarshipに期待しながらの受験となりました。
INSEADでも1st, 2nd roundでないと応募できないscholarshipが数多くあり、やはり奨学金を狙うなら早めに動くべきだったと痛感しました。3rd roundでも応募できるのはほぼneed-based scholarshipのみでした。インタビューに呼ばれた人のみscholarship応募フォームにアクセスできるようになり、自身のfinancial status等を説明したessayや銀行口座の残高や給与明細の英訳を提出して応募します。NPO勤務で収入が少ない窮状を必死にアピールした結果、大変ありがたいことにINSEAD Diversity Scholarshipという名のもとに20,000 EURいただくことができました(ちなみにclass of July 2017のtuitionは71,000 EUR)。先進国出身者だからと言ってあきらめずに応募して良かったです。
Oxford, Cambridgeはほとんどのscholarshipはmerit-basedで、applicationに基づいて自動的に対象者が選考されます。私はどちらも10,000 GBPいただきました。Cambridgeは私費だと5,000 GBPくらいはほぼ全員もらえるそうです。Cambridgeからは「さらに追加scholarshipにも推薦するからぜひ応募してください。ただしfirst depositを払わないと応募できません」というclosingを急かす案内が数回来ました。払いませんでしたが。
結果的に3校ともscholarshipをいただき、自己負担額が同程度で並んだので素直に進学先を決定することができました。もしOxford, Cambridgeからscholarshipをもらって、INSEADでもらえなかったら、悩んだと思います。
Advice and Messages
Q.失敗談や後悔していること、もっと早く知っておきたかったことなど、今後受験する方々へのアドバイスがあれば教えてください。
・ IETLSのスコアレポートを紛失しないように!! 「成績証明書の追加発行は移民局や教育機関宛ての場合のみお申し込みいただけます。受験者本人、個人宛または留学や移民などの手続き代行業者宛てに送ることはできません。」 ということで、紛失すると自分の手元には二度と手に入りません。私はあっけなく紛失し、スコアレポートを出願先に直接送付してもらう手続きをとりました。手数料がかかりますし、出願先にも説明が必要で面倒です。
・ Essay執筆開始時点で自分のコアストーリーをちゃんと作っておくと良かったと思います。それぞれのessay課題のネタを考えるのに必死になりがちですが、「自分はどういうことを考えてどういうことをやってきたのか」「今後はどういうことを考えてどういうことをやっていきたいのか」「そのためになぜMBAなのか」といった点をしっかり言語化しておくと、どんなessay, interviewでもブレずに語りやすくなると思います。具体的には、essayを書き始める前に、interviewのオーソドックスな質問に対する答えの準備を済ませてしまうとちょうどいいのではないかと思います。
Q. 一言メッセージ
MBA受験は本当に人それぞれですし、受かった人は何でも言えてしまうので、いろいろなアドバイスも自分に合うかどうかはわかりません。情報は適宜取捨選択し、流されずに判断するべきだと思います。TOEFL/IELTS, GMAT, Essay, Recommendation, Interviewという受験要素の前に、それまでの経歴(resume)というスタートラインも人によって大幅に異なります。
あと、現役で東大京大に受かって就活で良い企業に入って周りにMBAホルダーがたくさんいる人(それこそ外資コンサルとか)、「自分も普通にやればトップスクール受かるだろう」と勘違いしてあまく見てるとあっさり落ちたりするので要注意です。