合格体験記 / ケンブリッジ大学ジャッジビジネススクール / Cambridge Judge Business School / NTo

海外MBAドットコム

投稿者プロフィール

Q. 投稿者(ペンネームorイニシャル)
NTo

Q. 進学予定校
Cambridge Judge Business School

Q. 進学予定校のカテゴリ
Full-Time MBA (1 year)

Q. 進学予定校の地域
ヨーロッパ

Q. 受験校
IESE, Cambridge, LBS, Haas, Ross, UCLA, Kellogg

Q. インタビュー実施校
IESE, Cambridge, Ross, UCLA, Kellogg

Q. 合格校
IESE, Cambridge

Q. 性別
男性

Q. 出願時年齢
31歳〜35歳

Q. 海外経験と期間 (例: 旅行程度の経験以外無し、学生時に1年間米国に留学、入社後2年間シンガポール赴任、etc.)
学生時に1年間スウェーデンに交換留学、社会人となったのち半年間同国に赴任

Q. 費用
私費

Q. 奨学金
未取得

Q. 最終学歴 (国内/海外・国立/私立・大学/大学院・文系/理系)
国内・国立・大学院・理系

Q. GPA
3.7

Q. 受験した試験と出願スコア (GMAT:点数(V/Q/IR/AWA)/GRE:点数(V/Q/AW)/TOEFL:点数(R/L/S/W)/IELTS:点数(R/L/S/W))
GMAT 680 (V:32/Q:49) / TOEFL 107 (R:27/L:28/S:23/W:29)

Q. 塾
Y.E.S. (GMAT SC), Affinity (GMAT RC/CR), AGOS (GMAT Verbal/IR/AWA)

Q. カウンセラー
Sam Haldeman (メイン), Ed Lee

Introduction

Q. バックグラウンドや職務経験などについて、教えてください。
大学院で交換留学を経験し、異文化の中でしか得られない成長や気づきがあることを感じ、当時建築系の専攻でしたが、産業として既に成熟しドメスティックな傾向の強い建築業界ではなく(しかも当時リーマンショック後で希望の描けない市況だった)、まだまだ今後の進展が見込めそうなICT業界の外資系メーカーでキャリアをスタートさせました。エンジニアとして技術にキャッチアップしつつ、プロジェクトベースで国内外問わないエンジニアやプロジェクトマネージャー、海外拠点の開発チームと協働して日本のマーケットに最新の通信技術(最近では5G, IoTなど)を導入することに取り組んできました。プロジェクトの技術責任者のポジションを経て、直近では20名超えの多国籍エンジニアチームのマネジメントをおこなっていました。

Why MBA?

Q. なぜ、留学に行こうと思ったのですか。(そのきっかけや理由を教えてください。)
仕事環境には比較的恵まれていたと思いますし、社内でのキャリアも順調に進展していましたが、海外メーカーの日本支社で得られる機会の大きさと種類については折に触れて限界を感じていました。また、自分の今の取り組みの延長上に思い描ける以上の仕事をするには、どこかのタイミングで何かしら非線形な成長機会が必要だとも感じていました。そんな折、交換留学中に仲の良かった外国の友人の結婚式に参列した際、彼の出身校であるWhartonの方々も一緒に参列しており、彼ら彼女らの溢れんばかりのグローバルエリートオーラに完全ノックアウトされ、自分もこうした人たちと机を並べて切磋琢磨する中で自己成長出来たらどんなに楽しいのだろうと思うようになりました。当時インターナショナルな組織で働いていくことにも自信が生まれてきていたときで、身近な友人が社費留学を目指していたことも後押しとなり、新たな自分のドライビングフォースを獲得すべくMBA受験を決心しました。

Q. 留学の目的や活動予定について教えてください。
選択授業や授業外の活動はアントレプレナーシップ、テクノロジーに多くの接点をつくっていきたいです。地盤を一生懸命築いてきた会社を離れてまで自ら創り出したチャンスなので、留学後の職探しなど気になることは多々あれど、せっかくの機会、思う存分学びを楽しみ、一生影響を与えたり与えられたりできる友達をたくさんつくりたいと考えています。

Q. 留学後のビジョンを教えてください。 
これまで自分が社会人として関わって築いてきた通信インフラ上で展開される「未来の人々の生活の在り方を変革しうるサービス」、例えば自動運転などに関わりたいです。いずれ経営者的な視点で事業に関わっていきたいので、コンサルタントとしてデジタルトランスフォーメーションをはじめとした経営課題に取り組むという選択肢も考えています。

Preparation for MBA Application

<概論>
留学を考え始めてから、実際に受験するまではどのようなスケジュールで準備をしましたか。
上記の留学を志すきっかけとなる出来事があったのが2017年の3月末、その後受験の全体観を掴むリサーチを経て、2017年残りは丸々英語のスコアメイクに充て、2018年初春にTOEFLでそれなりの点数がでて以降春頃からGMATに移行しました。当初はGMATのスコアメイクを秋口ぐらいに完了させ、エッセーに専念するイメージを描いていましたが、結局GMATはアプリケーション提出の直前まで取り組む状況となり、1stの出願タイミング以降は両者を並走させました。

全体のスケジュールについての戦略としては、私は私費での受験であったため、また当時仕事がそれなりに多忙で勉強に割ける時間が未知数だったため、TOEFLの点数がでるかをその後のGMAT, エッセーといった膨大な投資に移るか(すなわちMBAという進路選択にコミットするか)の分界点にしようと考えていました。TOEFLの点数をもっていることはその後のプロセスを進める上でもアドバンテージとなったので、私費社費、海外留学するしないを問わずにどの道必要となる英語力、早期に勉強を開始することをお勧めします。TOEFL (IELTS), GMAT (GRE), エッセーの三つを受験年に並走させようとした場合、海外MBAを志すような既に優秀な集団の中で、突出して地頭がよい、突出して努力ができる、突出して海外経験がある(帰国子女)、突出して運がいいといった要素がないとなかなか厳しい戦いになるというのが感想です。また、その他全体スケジュール観点での戦略としては、1stの出願タイミングでスコアメイクが完了していなくとも、エッセーの完成度がまだまだでも、受験プロセスを一度体験するというマイルストーンを置きました。大変ありがたいことにインタビューに呼ばれ、合格までいただいたので、2ndラウンドの礎となる大きな学びが得られたばかりか、その後のラウンドでは本当に行きたい学校にだけ集中することができました。

Q. 大学院や受験方法についての情報収集はどのようにして行いましたか。(Info session, OB/OG訪問、Campus Visitなど)
社内に海外MBAを目指す人は皆無で、社内に蓄積されたノウハウなどは望むべくもなく、この点は苦労しました。私の場合、身近な友人に直近での受験経験者がいたので、折に触れて状況を報告し助言を仰いでいました。また、塾などでできた受験仲間との何気ない会話の中からも多くの励ましと示唆をもらいました。彼らの存在がなければ受験が完遂できたかも疑問で、感謝しかありません。

また、Ed経由で展開される各校のWebinarやイベント、セミナーには時間の許す限りなるべく参加していました。が、なんだかんだ半日潰れるので、学校主催の説明会プラス1ぐらいで十分だった印象です。ちなみに進学先の学校は英語要件で受験できないと思っていたので、イベントには一度も参加しませんでした。
OB/OG訪問は個別でのものはインタビュー前に各校2,3名程度Skypeさせていただきました。Internetでの情報収集はエッセーの設問などはClear Admitなどを利用していましたが、各校のHPは分散した情報をリンクをたどりながら読んでいくのにも多くの時間がかかるので、エッセーに本格着手するまではそれ程読み込む必要性は感じませんでした。

Q. 受験準備にかかった費用について、教えてください。 
TOEFL受験料:25万
GMAT受験料:25万
学校受験料:20万
参考書:7万
塾:100万
カウンセラー:160万
自習室:13万
Cambridge 現地インタビュー:20万
1stラウンド合格校コミットメント:40万
※ 結果論に過ぎませんが、再度受験するとしたらAGOSのGMAT 対策総合パッケージ(V)40万、濱口塾通信講座10万、Edの10hパッケージ30万は投資しないと思います。

Q. 留学にあたって、必要費用(受験費用や、進学後の授業料・生活費等)はどのようにして調達しましたか。
貯蓄を切り崩して準備に充ててまいりましたが、費用を切り詰めて機会を逸しては元も子もないので、留学期間中の費用の一部は親族から借用します。予算計画なしのプロジェクトはありえないので、留学を決心してからまずステークホルダーの理解を得るための行動をしました。

<スコアメイク>
Q. TOEFL/IELTSについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別(R/L/S/W)の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
TOEFLの勉強はTPOなどETSが出自の問題に数多く当たることに尽きると思います。中国製の(無料)アプリなどが探せばあるので、利用価値は多大です。私はAndy田開先生の方法論を信頼しており、リスニングを勉強のメインに据えるべきと考えています。リスニングは耳ができるのに時間がかかるのと、ライティングとスピーキングも半分はリスニングですし、リーディングにでてくるトピックも多くはリスニングの内容と重複しており、波及効果が高いです。集中力も高まります。英語のスコアメイク開始時は勉強時間が確保できず、通勤電車が主な勉強場所でしたが、車内で毎朝1~2題こなして知らない単語を調べてアルクの単語帳に登録し、残りの時間は倍速で繰り返し聴いていました。また、英語脳への切り替えにも役立つので、私はTOEFL受験が終わったのちも、TPOの素材はGMAT受験やインタビュー前など受験期間全般に渡って活用していました。
前述のAndy田開先生は都内で定期的に有料の勉強会を開催しており、参加すると勉強の素材を大量にいただけるので、なるべく早いタイミングでとりあえず参加することをお勧めします。

・科目別勉強法
Reading
単語は3800のRank3まで一通り単語帳アプリを使って覚えて、その後は忘れないように付属のCDを倍速で録音したものをRank3中心に隙間時間に聴いていました。Rank4は意見が分かれるところかもしれませんが、覚えた端から忘れていくので少しやって諦めました。それよりも過去問などで一度見たことはある気がするけれど、意味がわからないような単語を拾っていった方が効果的だと思います。
塾は使いませんでしたが、NoteFullというWebベースの教材で問題タイプごとの解法を学び、前述の勉強会で頂いた素材をiPadを使って車内で解いていました。TOEFLのReadingは単語の意味さえ分かれば解けない問題は少ないはずなので、如何に短い時間で効率的に解いていくかという練習です。

Listening
既に記載した通りです。NoteFullの方法論も一通り舐めましたが、ノートテイキングにフォーカスしておりあまり役に立たない印象です。問題を反復して解くうちに、意見や理由を述べている個所など、出題されるポイントはつかめてくると思います。文脈がまだわからないスクリプトの出だしをいかに集中して抑えるかはポイントだと思っていました。

Speaking
NoteFullのテンプレートと方法論は秀逸だと思います。こちらを覚えてTPOにて適用する練習をしました。Speakingは時間はかかりませんが、家でしか練習できない上、自分のできなさを直視しなくてはならないので、練習を開始するまでの心理的ハードルが高くつい後回しにしがちとなってしまいました。結局19→23までしか上がりませんでしたが、更にトータルスコアをあげようとした場合伸びしろはあったように思います。

Writing
一題目はリスニングです。いかにもれなく聴いたものをメモして、文法・スペルに誤りなく字数を稼ぐか。
二題目は最初の数回の試験はテンプレの暗記のみで試験に臨んでいました。そこで思いついたストーリーを汎用性のありそうな問題を使って清書し、5題程度格安の添削サービスを利用して長期休みに完成させました。最後は文法だと思います。Y.E.S.の文法講座を受講後に、文字数稼ぎより文法的正しさとスペルミスへの意識比重を高めて臨んだ回で29と跳ねました。

Q. GMAT・GREについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)

GMATが全受験工程の中で最も苦労し、反省点も多く、もう一度受験するとしたら間違いなく別のアプローチをとるであろうパートとなります。全5回ある受験機会のうち2回で力を発揮できない状況に陥った上、こうして勉強していけばいいといった確信ある方法論まで辿り着いたのも受験終盤となり、点数を伸ばしきれませんでした。問題なのは某予備校講師の方の言葉を借りるとすると「GMATは試験としてのクオリティが低い」ということで、同じ実力の人が同じ試験を受けても回によって点数に大きなバラつきがうまれ、能力を定量的に計るのに適していない点です。誤解のないように言うと、地頭が突出していい人や驚異的な集中力をもっている人は高得点をパッととっていきます。しかし、そうでない大部分の人は大波が来るのが5回のうち最初の方に来るのか、最後の方なのか、それともついぞ来ないのか、限られた受験機会の中で運の要素も入り込んできます。そのため合格体験記などを参照しても、統計的な誤差の範囲が広いものを解釈しなければならず、正当な確立された方法論になかなか到達しない上見極めが難しく、場合によっては試験の難易度そのものを見誤ります。以下については私の超主観的な見解なので、それを踏まえて参考にしていただければと思います。

・時間軸
2018年2月 Y.E.S.文法講座受講
2018年3月 Y.E.S. SC講座スタート(全16回), 濱口塾通信講座契約
2018年4月 AGOS GMAT 対策総合パッケージ(V)契約
2018年5月 AGOS GMAT Verbal Strategy IntensiveをGWに受講
2018年6月 Affinity GMAT RC 戦略 SetA, B受講, Y.E.S. SC講座卒業, AGOS GMAT AWA Strategy受講
2018年7月 AGOS GMAT IR Strategy受講, GMAT初受験@東京 (Total:660)
2018年8月 AGOS GMAT Verbal Practice B受講, 2週間の休暇をとり自習室でGMAT OG/Prep漬け, 満を持してGMAT受験2回目@東京するも撃沈
2018年9月 AGOS GMAT Verbal Practice A受講, Affinity学習カウンセリング受講, GMAT受験3回目@東京も撃沈
2018年10月 Affinity CR戦略クラス Set B受講
2018年11月 GMAT受験4回目@大阪 (Total:670)
2018年12月 GMAT受験5回目@大阪 (Total:680)

・科目別所感
SC
全単元の中で一番コスパは低いと思います。知識範囲は広く勉強に時間がかかる上、実際の試験でも時間をかけて解いた挙句誤答する、といったことが平気で起こります。Y.E.S.では全ての選択肢の落とす/選ぶ明確なロジックを説明してもらえるので力が付きます。何より授業が楽しいです。ただ、よく考えて選択肢を吟味するようなスタイルなので、時間に対する感覚は別途でトレーニングが必要です。私が最終的に行き着いた戦略は、最初の10問で7-8割程度で正答できるレベルの実力がついたのち、残りの問題は1分半ぐらいで捨て気味に解いてCR, RCに時間を回すというものでした。AGOSのStrategyの教材はミニマムの知識がよくまとまっています。

CR
得点源にすべき単元です。前知識が何か必要なものでもないので、最初から全く太刀打ちできないといった感じではないと思いますが、私はAffinityの戦略クラスをとってから選択肢の切り方や選び方にだいぶ自信がつきました。もっと早く受講すべきでした。宿題でOGも併せて問題種類ごとに解くので、バランスよく自分の中に解き方が確立していきます。あとは自分の考え方の癖のようなものがどうしてもあるので、面倒を厭わずExcelなどで間違えた理由の分析をまとめ、問題種類ごとに統計をとると自分のパフォーマンスが客観的に把握でき、集中した対策が打てます。私は受験終盤の正答率は全体で84% (サンプル数250問程度)、下から上の問題が苦手で特に主軸のStrengthen/Weaken問題が8割を切っていたため、これらに集中して問題を解きました。

RC
最初に解いたときはTOEFLの難易度とのギャップに戸惑いましたが、勉強を進めるうちに積極的に得点源にできる単元であることに気付きました。AGOSのStrategyでOne-One-Lという戦略(各パラグラフの1センテンス目と、最後のパラグラフのLastセンテンスのみ読んで解く方法)をきいたときは絶望を覚えましたが、Affinityでは体系的にパッセージと設問の種別を分類し、選択肢の正答になりやすさを分析する方法論を教授されます。この方法論であれば濃淡をつけて読めるので、問題文が難しくても時間内に回答ができます。受講直後のGMAT本試験で、RCの正答率が100%だったので私は信頼を置いていました。CR同様間違えた問題の分析をして気付きを得ていくことで、実力が伸びていくと思います。

・その他
GMATの市場に出回っている問題の数には限りがあり、最初に無計画に問題を解きすぎて解ける問題が枯渇するといった話をよく耳にします。良質な問題にあたることは実力を伸ばすうえで必須なので、この点はよく計画しておく必要があるでしょう。OGの他にはmba.comで購入できるOfficial practiceといったところがメジャーな素材となりますが(これらを使っておこなったスタートダッシュ練習は有効でした)、この他にもTOEFL同様中国製のGWDといったソースや、Webの大海を彷徨っていたら数百問単位で昔の問題のテキストにありついたこともあります。手持ちの素材次第で取りうる戦略もかわってきますので、早い段階でよく吟味をした方がいいです。私はメジャー素材以外にありつくのが遅かったのが悔やまれるところです。

また、会場選択についても自分の最寄り会場だけが選択肢ではないことは頭に入れておくべきです。私は最初帝国ホテルで受験していましたが、試験監督の方が発する匂いがどうしても気になり途中で大阪に変えました。1回目から気になっていたのですが、2回目で明確に入退出の案内が入るたびに自分の集中力が切れることに気付き、運営会社にクレームを入れました。今後同じことがないよう指導するとの返答を受け3回目を受験しましたが状況は変わらず、再度クレームをして、4回目は既に東京を予約済みでしたが大阪に変更してもらいました。新幹線代はかかりましたが、大阪の方が会場も広く管理も行き届いており、4回目5回目と少しずつですがそれぞれスコアを更新しました。フィーリングも結果に作用すると思うので違和感をもったら思い切って会場を変えてみるというのも手かもしれません。

<Essay & interview>
Q. 上述のカウンセラーに決めた理由、及び当該カウンセラーに対する感想を教えてください

Edは言わずもがな圧倒的な情報と過去の実績、ネットワークをもっています。また、情報を囲い込んだリすることもないので、何らかの形で繋がっておくべきカウンセラーです。私は三月頃のキックオフセミナー後に個別面談をして、人柄をみてうまくやっていけそうに感じたため、自分への受験意志を示すコミットメント的意味合いも含めて10hのパッケージ契約をしました。が、結局10hのうち1.5hぐらいしか使わず金銭的には大変勿体ないことをしました。理由はスコアメイクが遅れる中、1stラウンドで一校は出願しようと考えていて、ある程度共同作業で書くところまで含めてお願いできるカウンセラーでないとそれは叶わないと判断したからです。1stの出願校の選択は相談にのってもらっていて、IESEならいける、INSEADも恐らくいけるだろうとのことだったので、リサーチが進んでいたIESEに出願し、言葉通りの結果となったので、そうした経験に基づく助言はEdならではだと思います。

メインでお願いしたカウンセラーはSam HaldemanというUCLA Anderson出身の若いカウンセラーで、彼とは同じプロジェクトのメンバーのような感覚でお互いの強みを持ち寄って、文字通りMBA受験というプロジェクトを二人三脚で戦いました。私は日頃プロジェクトベースの仕事を外国人メンバーと行っていたので、働き方という部分でもFitは高かったように思います。
彼自身がMBA受験・取得をしてからそれ程経たないので、受験やプログラム内のダイナミズムについて生の感覚がありますし、前職・現職でも企業や学校でトレイナーとして働いており教え方もうまいです。そして、何よりいざという時に頼れました。1stラウンド出願は直前にGMAT受験をしたため、書類準備に週末含めた5日ぐらいしかリードタイムがなく、週末にしたためた草案が週明けに根本的に変更が必要だと悟った際には1stでの出願を諦めかけました。しかし、そこから議論をしてコアストーリーの方向性のディシジョンを下し、役割分担をしてほぼスクラッチから1日半で仕上げることができました。後日Edにセカンドオピニオンとしてレビューに出しても大きな修正項目はなかったですし、結局そこで作ったコアストーリーは最後まで変わることはありませんでした。1st出願を経て自分のコアストーリーが固まったので、そのまま2ndラウンドも継続してお願いすることとしました。

Q. エッセイについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
夏の終わり頃に一度出願可能性のある学校の設問をClear Admitから拾って全てExcelにまとめて、全体観を掴むとともに作業量の確認をしました。設問の分類的なものが頭の中に出来上がるので、あとは日々の生活や仕事をしている中で使えそうな着想が得られるたびにメモをしていました。このアイデアを熟成させていくようなプロセスが個人的には非常に重要だと考えていて(学生時の建築設計課題で学びました)、自分の琴線に触れる着想は別の出来事とも繋がっていることが多く、その繋がりに帰納的に気付くと、今度は演繹的にそれを適用して将来的にクラスの中でこうした貢献ができる、といった具合にアイデアは発展していきます。このプロセスは性質上時間がかかるので、早めに設問のインプットだけはしておくのがよいと思います。

あとは出願タイミングと設問の汎用性などで取り組む学校の順序を決め、一校ごとにカウンセラーとアイデアを叩きに叩きまくりながら仕上げていきました。この叩くプロセスは一切妥協なく、オープンにお互いに心から納得できるところまで個々のエピソードの質、バランス、言い回しまで追求したので、後にカウンセラーからこんなにプッシュしてきた生徒は初めてだと「お褒めの言葉」を頂きました。私自身、これまでの自分の仕事を振り返り、客観的に解釈をすることができ、たくさんの新しい気付きと大きな学びがありました。

Q. 推薦状について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
自分を入社時からみている上司(本部長)と、プロジェクトを以前一緒にやっていた本社所属の外国籍のプロジェクトマネージャーにお願いしました。自分の仕事を別の立場で見てくれているので、複眼的に話しに説得力と深みが増すことを期待しました。ドラフトを頂き、カウンセラーと確認修正をして、登録をお願いしました。

Q. インタビューについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
メインのカウンセラーのSamを中心に、Ed、受験仲間、ネイティブスピーカーの知り合いとMockインタビューを繰り返しました。同じ内容でも人によって受け止め方や印象は異なるので、複数の人からのフィードバックをもらうとよいと思います。基本的な質問内容はどの学校も同じようなもので(WMTYR, Current job & market, Why MBA, Why this school, Post-MBA goal (Long&Short term), PlanB, Why now, Strength/Weakness, Contribution to school, Achievement, Failure, Leadership, Teamwork, Any question?)Mockをしながらこれらの質問項目はブレットで回答を整理していきました。これらの中でホームランを打てるものを増やしていき、それ以外の変則的な質問はEdからの膨大な過去ファイルを参考にできるだけカバーをして、三振しないように無難に回答していくことを心掛けました。
メインカウンセラーのSamはMockの回答内容をGoogle docsに記録し、フィードバックセッションの内容とともに後に共有してくれたので、それを見ながら録音したセッションを聞き直し、使えそうな表現や流れの作り方を取り入れ、自分で再現できるように練習しました。また、インタビュー準備の段階で在校生とSkypeさせていただく機会がもてると、自分のアピール内容も固まっている中で、それを補強するようなかなり具体的で最新の学校情報が盛り込めるのでおすすめです。

Q. エッセー及びインタビューを通じて、自己PRとして、どのような内容をアピールしましたか。
ダイバーシティのあるチームをマネジメントする立場でしたので、いかにメンバーの潜在力を引き出してチームとしての成果を上げてきたかということをアピールしていました。実際の失敗談やそこからの学びを通じて、自分のリーダーシップスタイルがどのようなもので、どのように形成されたのかを理解してもらえるよう努めました。

<学校選択>
Q. 受験校はどのように選択しましたか。
バックグラウンドからフィナンス色の強い学校、特定の会社の社費生が多い学校を選択肢から消去し、テクノロジー・アントレ教育に強い、協調的なスクールカルチャー、生徒の多様性とクオリティといった3つの観点から選択しました。

Q. 進学校の決め手は何でしたか。 
私費での留学のため、自分が心の底から行きたいと思う学校しか受験しませんでした。どの学校も異なった魅力が詰まっており、複数の学校から合格を頂いていたら相当頭を悩ませていたと思います。そんな中、Cambridgeは上記の学校選択の条件をいずれも満たした数少ないプログラムです。受験期間中はある種お祭りモードのメンタリティーですが、受験プロセスが全て終わった後に冷静になって考えると、かかる費用、自分の年齢などを鑑みてこれ以上ない選択だと確信するに至り、米国2校のWaitlistは辞退しました。

<その他>
Q. キャンパスビジットを行った場合、実施時期や内容について教えてください。(ビジット実施校、実施時期、実施内容、訪問した人、選考においてどのような効果があったか、など)
キャンパスビジットはCambridgeの現地インタビュー以外行っておりません。勿論資金的時間的余裕があるのであれば行った方がいいことは間違いないですが、明確なアウトプットとしての目的意識がある場合を除いては時間もお金もエネルギーも膨大にかかるので、コストパフォーマンスは低いというのが個人的な見解です。他の合格者と話していて効果的だと思ったのは、アプリケーションを提出したタイミングで各校を行脚し、アドミッションにインタビューに通すよう直談判して回ったというものです。実際彼はインタビューに呼ばれ、その後スコアを更新し、米国のトップスクールから合格をもらっていました。

Q. 奨学金に応募をした場合、奨学金の内容や応募方法などについて教えてください。
奨学金には応募していません。

Advice and Messages

Q. 失敗談や後悔していること、もっと早く知っておきたかったことなど、今後受験する方々へのアドバイスがあれば教えてください。
上に詳細を記述しましたが、GMATはもう一度受験するとしたら別のアプローチをとります。
関連してTOEFL/GMATを受験初期にほぼ盲目的に選択しましたが、こちらは大いに検討の余地があったよう感じています。IELTS/GREを受け入れていない学校は超少数ですし、GMAT+GREの計10回の受験機会の中で一度でも跳ねればよいと最初から思って臨んでいれば、別の戦略を立てたでしょう。

Q. 一言メッセージ
受験が終わって周りの合格者の方々をみていて思うのは、自分も含め、結局みな落ち着くところに落ち着くのだなぁ、ということです。勿論そのかげに途中で受験を諦めた人や、翌年以降に持ち越した人が大勢いるだろうことは承知の上でです。大学受験とは異なり、みなこの年になれば置かれた環境も、これまでの経験も、目指す場所も様々です。どの人にもその人固有の強みと弱みがあって、得意なことがあればうまくできないこともあります。その中で自分は絶対にこの学校に行くのだ、とかそういった我執のようなものを一度手放して、もう少しオープンな姿勢で客観的な流れのようなものに身を任せてみると、目の前の勉強やエッセー作成の端々、出会う人々の中に学びや成長の種があることに気付く「隙き間」のようなものが生まれるのではないでしょうか。私はどのタイミングで収穫できるかは別としても、自分が今かけているエネルギーや努力が今後の自分の成長の糧になることを割と全期間を通して明白に感じていたので、楽しく充実した時間を過ごせました。続くMBA生活もそうした学びに満ちた経験になると幸せだなぁ、と漠然と思うと同時に、多くの方がそのような経験をされ、人生が益々充実したものになることを願っています。

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