投稿者プロフィール
Q. 投稿者(ペンネームorイニシャル)
RM
Q. 進学予定校
HBS
Q. 進学予定校のカテゴリ
Full-Time MBA (2 year)
Q. 進学予定校の地域
アメリカ
Q. 受験校
HBS、Columbia(面接辞退)
Q. インタビュー実施校
HBS
Q. 合格校
HBS
Q. 性別
男性
Q. 出願時年齢
26歳~30歳
Q. 海外経験と期間 (例: 旅行程度の経験以外無し、学生時に1年間米国に留学、入社後2年間シンガポール赴任、etc.)
旅行程度の経験以外無し
Q. 費用
社費
Q. 奨学金
未取得
Q. 最終学歴 (国内/海外・国立/私立・大学/大学院・文系/理系)
国内・国立文系
Q. GPA
2.6 ※WES換算3.7(笑)
Q. 受験した試験と出願スコア (GMAT:点数(V/Q/IR/AWA)/GRE:点数(V/Q/AW)/TOEFL:点数(R/L/S/W)/IELTS:点数(R/L/S/W))
GMAT:730(V38/Q51/IR6/AWA5.0) / IELTS:7.5(R8.5/L8.5/S7.0/W6.5)
Q. 塾
Affinity/YES
Q. カウンセラー
エッセイ:Jessica(メイン), Ed(サブ)
インタビュー:Jessica, Ed, Vince, Reve, Steven Green, Adam, John Couke, Matthew, Nish, MBAvenue
Introduction
Q. バックグラウンドや職務経験などについて、教えてください。
<キャリア>
日系消費財メーカーにて入社時より7年間(20年4月時点)マーケティングを経験。
Brand Management / Brand Development / Project Management など。
2018年より、国内業務と並行して、海外の事業開発関連業務を担当。
<語学>
入社前TOEIC 660点
<課外活動>
2018年まで社外のサッカークラブに所属(仕事の傍ら週4-5日活動)。
Why MBA?
Q. なぜ、留学に行こうと思ったのですか。(そのきっかけや理由を教えてください。)
・「無知」を克服した先に、広い選択肢・可能性から、能動的に人生の方向を決めたいと考えたから。(目の前の楽しいこと、特にサッカーに没頭して生きてきたが、歳を重ねるにつれて、新しい一歩を踏み出したいと思い始めた。2018年に、前十字靭帯断裂・半月板損傷という大怪我をしたのをきっかけに、一念発起して留学を決意した。)
・純粋に、楽しそう、と思ったから。(海外に住んでみたかった&部活のないキャンパスライフに憧れていた)
Q. 留学の目的や活動予定について教えてください。
<目的>
上述の通り。
<活動予定>
①起業/現地インターン/交友(「パートナー探し」含む笑)を、欲張ってやり抜く。
②授業をなんとか切り抜ける。
③上記2点に際し、常にオープンマインドで、好奇心を忘れずに取り組む。
Q. 留学後のビジョンを教えてください。
派遣元に帰任(予防医療領域もしくは現地買収先の2方向で検討・交渉予定)
Preparation for Application
<概論>
留学を考え始めてから、実際に受験するまではどのようなスケジュールで準備をしましたか。
・17年5月
一橋ビジネススクールの短期コースを社内研修で受講し、MBAというものに興味を抱く。
・18年3月
前十字靭帯断裂・半月板損傷でサッカーから完全に足を洗う。MBA受験を始動(20年入学を目指す)。
TOEFLの短縮模試のようなもので「50点」を記録。のびしろ◎。
・18年6月
2度の手術・入院を終え、退院。
松葉杖をついてHBSのインフォセッションに参じる。持ち前の“Zero Listening Skill”が遺憾なく発揮され、アドミンが何を言っているのかさっぱりわからない。のびしろ◎。
・18年7月
IELTS1回目: 7.0
寝る間を惜しんで狂ったようにトレーニングしたRが引っ張り、期待以上のスコアを獲得。英語が好きになる◎。
・18年8月
会社からMBA留学の指名(20年入学or19年入学)を受ける。公募制ではなく指名制だったため、予期しておらず、驚いた。私費を視野に入れて準備していたが、会社でやりたいことも明確にあったため、ありがたく話を受ける。外部奨学金を取る必要も無くなったため、19年入学できるのではないかと思い、GMAT本格始動。
・18年12月
GMAT1回目: 690(V31Q50IR7AWA4.5) *CR70/RC6/SC73
730出たらエッセイを突貫で仕上げて出願しようと考えていたが、目標に届かず。20年入学に切り替え。
・19年1月
GMAT2回目: 730(V38Q51IR6AWA5.0) *CR76/RC85/SC81⇒ GMAT終了
その後3か月は、業務に忙殺されてほぼ何もできず。
・19年4月
キャンパスビジット1回目: CBS ⇒ HBS ⇒ GSB ⇒ Haas
Cali Weather に魅了される。春到来前のHBSは、さながら網走刑務所。
・19年5月
エッセイ作成を本格始動。
この頃からHBS/GSB/CBS/Boothに絞ってインフォセッションやOB/OG訪問を精力的に行う。
・19年7月
IELTS2回目: 7.5 ⇒IELTS終了
・19年9月
9/2 HBS出願
9/26 CBS出願(Earlyではなく1st)
・19年10月
キャンパスビジット2回目: HBSのみ弾丸で実施
10/2 HBS Interview Invitation
・19年11月
11/29 HBS Reception ⇒ 2次会
Intervieweesが一堂に会するnetworkingイベント。もちろん、アドミンにも見られている。わかっていたことだが、国籍問わず、エーペ(英語ペラペラな人たち)しかいない。“Zero Listening Skill”の十字架が、重くのしかかる。エーペ同士の会話はさっぱり聞き取れず、“相槌”という名のコミュニケーションと、無理矢理タイマンに持ち込む作戦で、なんとかその場をやり過ごした。Netflix勤務のアメリカ人がいたので、テラスハウスの話で盛り上がった。ありがとう、ヤマちゃん◎。
11/30 HBS Interview
・19年12月
12/10 CBS Interview Invitation
12/11 HBS 合格 ⇒ CBS 辞退
Q. 大学院や受験方法についての情報収集はどのようにして行いましたか。(Info session, OB/OG訪問、Campus Visitなど)
情報元:Info Session, 在校生, OB/OG, Campus Visit, 学校Webサイト, 学校SNS, 受験仲間との情報交換
最終的には、最新かつ正確な情報として、Webサイト・SNSをメインのソースとして使っていた。
Q. 受験準備にかかった費用について、教えてください。
約300万円
Q. 留学にあたって、必要費用(受験費用や、進学後の授業料・生活費等)はどのようにして調達しましたか。
貯金と会社の補助
<スコアメイク>
Q. TOEFL/IELTSについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別(R/L/S/W)の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
IELTS
<英語力推移>
13年3月
TOEIC:660取得
国内マーケティング担当となり、以後3年間、旅行以外では英語に触れなかった。
16年7月
漠然と“海外”に興味を持ち、人事提出用のTOEICスコアを改善するため、1か月間限定で猛勉強。仕事とサッカーと睡眠以外の時間は、全てTOEIC対策に捧げた(移動・食事・風呂の時間ももちろん勉強していた)。
16年8月
TOEIC:960点取得
それから1年は、実業で英語を使う機会は無し。
18年3月
TOEFL簡易模試:50点相当
Listeningが苦手だったため、Integration Taskなるものの負荷が高いと感じた。(肌感として、105点+αを取るには、テスト対策だけではなく、根本的な英語力の強化が必要になりそうだと感じた。)短期的には、「英語力の強化」は目的ではなく、あくまで「要求スコアの獲得」が目的だと考えていたので、この課題から逃れる策を検討したところ、直ぐに“IELTS”という結論に辿り着いた。Readingで満点を取れれば、7.0は容易に届きそうだったので、効率的にスコアメイクができると思った。
18年7月
IELTS1回目:7.0(R8.5 L6.5 S6.0 W6.0)
3か月間、特に入院期間(のべ3週間)で、徹底的にRをトレーニングしたため、狙いのスコアが出せた。
19年7月
IELTS2回目:7.5(R8.5 L8.5 S7.0 W6.5)
リスニングは、直前以外ほぼ勉強していなかったにも関わらず、大きく改善した。要因は3つ:①GMAT対策でリーディングスピードがとてつもなく上がっていたため、先読みで大きなアドバンテージを得られるようになった。②Computer-deliveredによって、周りの音を気にせず、集中できた。③カウンセラーとのセッションを繰り返したことで、少なからず純粋なリスニング力が養われていた。(自論だが、純粋なリスニング力の強化は、受験においてプライオリティは下がると考える。GMATにLのセクションは無いし、インタビューでは、相手が気を遣ってくれる&質問のコンテクストが明確なので、Lの能力が合否に繋がるとは考えづらい。極論、IELTSでスコアが取れれば良いだけなので、自分の場合は、IELTSの公式問題集の音源以外は聞いていなかった。そして・・・今、リスニング力の低さから、入学を前に、不安に苛まれている。)
<苦労した点>
業務で英語を使う機会がほぼなかった(一部海外業務を持っていたが、国内の調整は全て日本語だった)ため、英語に触れる絶対的な時間が限られていたこと。結果、無駄な欲は捨てて、英語力の地道な強化ではなく、IELTSに特化したテスト対策として、割り切って取り組んだ。
<工夫した点>
①テスト形式や内容に慣れるため、公式問題集をひたすら使用する。このテストで目標スコアを達成するのがゴールであれば、他の英語教材(BBCニュースなど)を使うのは、気晴らしにはなっても、時間費用対効果は低くなってしまうと思っていた。なお、中国のサイトなどでは、公式問題を無料で全て解けるらしい(Copy Rightsの観点から、現在も使えるかはわからないが)。Computer-deliveredのインターフェイスそのもので、再現性も高いらしい。
②Computer-deliveredで受験する。Lが格段にやりやすいと感じた(特に普段イヤホンで音源を聞いている人にとっては)。また、Wもdeleteが楽で時間に追われずに済む。
③自分にとっての費用対効果の高いセクションや当日戦略を考えた。具体的には、学習の段階で、「上がりづらいWの勉強はしない」など。
<勉強法>
【語彙】
①TOEFL3800:和英・英和をパート2くらいまで暗記、英和をパート3くらいまでチラ見
②公式問題で遭遇した非専門用語のうち、初見で意味が取れなかったものを、エクセルでリスト化する。前後2-5wordsくらいの塊でリスト化し、英和のみ復習した。(高難度の単語は、同じような文脈で出てくることも多いので、単一で暗記する必要はないと感じた。)
【Reading】
公式問題集: 「時間を計って1題解く⇒精読(センテンスごとに構造分析)・わからない語彙のリスト化⇒速読」 の繰り返し
英文読解の透視図:学習初期に、こちらの参考書で、大学受験期の記憶を蘇らせた。
【Listening】
公式問題集: 「1題解く⇒全文ディクテーション(口頭で)・センテンスごと精読・わからない語彙のリスト化⇒シャドウイング⇒1.3倍速シャドウイング(移動中など隙間時間で)」の繰り返し
【Speaking】
瞬間英作文:「暗記 ⇒ 音声を使って和英 ⇒ 1.5倍速の音声を使って和英」の繰り返し。英語が全く話せなかった自分にとっては、基礎固めとして適していた。1か月くらいで集中して片づけた。
DMM英会話:“IELTS対策”という教材があるので、そちらを重宝した。
【Writing】
ほぼ対策せず。Webでテンプレを集めて、試験前に脳みそに叩き込んだ。
Q. GMAT・GREについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
GMAT
<苦労した点>
まとまった勉強時間の確保。
<工夫した点>
①まずは、我慢して基礎力を付けた。
焦りから、実践演習を早い段階で繰り返す人も多いかもしれないが、基礎がないのに演習を繰り返すのは、むしろ非効率だと考えていた(出鱈目なフォームで素振りを繰り返すようなものか…)。また、CAT式のため、簡単な問題を間違えると、命取りになる。これも、基礎力重視の根拠になる。
②PrepやESRのデータを基に、自分なりの戦略を複数パターン作った。
Prep後には、正解・不正解の箇所をエクセルでまとめて、当日の時間配分とスコアイメージをパターン化していた。特に、RCがどこに出てくるか/それが長文か短文かをひとつの指標に、10/15/20/25/30問目までの回答時間・正答数の目安を、自分の中で持っていた。
③戦略には「合理的な博打」も組み込んだ。
試験の特性(ダミー問題がある&年間5回受けられる)を踏まえると、「合理的な博打」は、結果的に高い期待値をもたらす。RCの設問を1題切るなど。そもそも、わからない問題は必ず出てくるし、多くの日本人は全部読み切れるわけもないので、ある程度の割り切りは絶対必要。英語にハンデを持っているなら、なおさら。
④直前は、週末と有休を繋げるなどして、本番を想定したトレーニングを繰り返した。
スポーツと同様に、「自分に言い訳できない状態を作ること」を、コンディション作りにおいて大切にしていた(願掛けの要素も多分にある)。異常と思われるかもしれないが、就寝・起床・食事・スクリーン・キーボード・ノート・ペン・耳栓・時間割など、本番に合わせてトレーニングしていた。所詮はテストなので(ライフワークでも趣味でもないので)、短い期間、死ぬ気でやり抜いて、さっさと終わらせるのが理想だと考えていた。
⑤優秀な友人と、勉強会を実施した。
予備校で知り合った受験同期2人と、3か月ほど、毎週土曜の朝8時から勉強会を実施した。2人とも聡明で、かつバックグラウンドが異なったため、非常に効果的だった。勉強会では、ネットやOGから拾ってきた問題で10問のセットを自作し、みんなで一斉に解いた。解答後、各問題の論点についてディスカッションをして、互いに教えあった(特にSCにおいては、自分が気づかない論点が浮き彫りになるため、非常に良いトレーニングとなった)。また、モチベーション維持にも有効で、自分が受験を乗り切れたのは、この2人のおかげだと思っている。本当にありがとう。
<勉強法>
【語彙】
IETLSと同様
【CR】
・Affinityを受講
手っ取り早く基礎が学べて良かった。自分の理解が正しければ、Affinityは、「英語のハンデを負った下級兵士たちに救いの手を差し伸べる」のがコンセプト。そのコンセプトを体現するために、講師の方々が心血を注いでいる様子に、好感を抱いた。
【RC】
・Affinityを受講
頻出テーマ(feminismなど)の「背景知識」を学べたのは非常に良かった。また、「一発切り」リストも、秀逸。但し、初回受験で、テクニックだけでは太刀打ちできないことを実感し、最終的にはManhattanで補強した。
・Manhattan RC
英文読解の基礎が学べる。大学受験・TOEIC・IELTSすべて、基本独学できたため、世間的には基礎的な読解方法(スケルトン分析など)を学べたことが、新鮮かつ有益だった。
・背景知識の暗記
初回受験の反省を踏まえて、「物理」と「天体」と「米国史」は、ネットで調べて背景知識を暗記した(所要時間は2時間ほど)。頻出なので、そちらの方が効率が良いと感じた。冷静に考えると、アメリカ人向けの試験なので、アメリカの高等教育における常識・教養は、最低限必要になると割り切っても良いのでは・・・。
【SC】
・YESで基礎コースを受講
英語の基礎がない自分にとっては、目から鱗の内容に溢れていた。
・YESでSCコースを受講
問題が古いが、今なお成立する古典的な論点の整理としては有益。但し、個別の問題に対してアプローチを解説してくれる授業方式のため、個別の事象を一般化するのが苦手な人にはおすすめできない。「体系立てて教えると、コピーされて商売あがったりになる。」というのが、講師の主張。それももっともだと思うし、講師の知識の深さは尋常ではないので、自分は重宝していた。
・AffinityでSC基礎・演習コースを受講
最新の問題傾向に対応。「一発切り」といたテクニックなど、我々の低い英語力を前提に、知恵を授けてくれる。どちらか一方を選べと言われたら、個人的には、Affinity>YESという評価(Affinityで友人を得たこともあり笑)。
【Math】
数学は得意だったため、マスアカと少量の問題演習しかしていない。直前期に、ManhattanのPrep(本番より少し難しい)を解いて、引っ掛かりやすい論点を潰しこんだのは、有効だったと思う。(なお、誤解を招かないように言及させていただきますが、文系というプロフィールに反して、脳みそは完全な理系です。参考にする際には、留意してください。ドラマ「HERO」の映画版を見て、社会のために戦う“検察官”に憧れて高3の時に文転しましたが、数学が圧倒的な得意科目でした。)
<Essay & interview>
Q. 上述のカウンセラーに決めた理由、及び当該カウンセラーに対する感想を教えてください
Jessica(メイン)
【理由】
①F2F
実際のインタビューがF2Fで行われうることを想定して、その準備としても活用できると考えた。
②いいやつ
She is funny.
③クリエイティブ
こちらが準備した素材に対して、ブレインストーミングのアウトプットが非常に良質だと感じた。自身の業務でブランドコンセプトやストーリーテリングの設計を頻繁にしていた経験から、この要素は非常に重視していた。但し、ブレストのスタイルや相性は人それぞれだと思うので、あくまで個人的見解として理解して欲しい。
④女性・中年・アメリカ人
多くのアドミンと近しいデモグラフィである。彼らに近い視点で、指摘がもらえるのは非常に有益。
【感想】
満足。
Ed(サブ)
【理由】
①F2F(同上)
②いいやつ
Edは、ほんとに、いいやつ。
③ディリジェント
レスポンスが尋常ではなく早い。切羽詰まった時に、本当に助かる。
④情報量が多い
過去・現在のクライアントの数が非常に多いため、情報収集という意味で、非常に有益。特にMBA受験は情報戦という面も大いにあるので、とても助けられた。
【感想】
満足。
Q. エッセー及びインタビューを通じて、自己PRとして、どのような内容をアピールしましたか。
ここで、MBA受験の全体戦略を、「自論」という形で共有したい。あくまで「自論」であり、活用されるかどうかはお任せするが、“海外MBAドットコム”のコンセプト「留学という一歩によって、日本から世界をリードする人を、増やす、サポートする。」を体現する一助として、どなたかの役に立てればと思う。(長くなるので、具体論への言及は、他の方々の体験記に譲りたい。)
1. 概要
MBA受験というプロセスは、ブランディング/マーケティングというレンズを通して見ると、非常にわかりやすく、攻略できる対象になると思う。このプロセスは、「如何にして、ターゲットカスタマーである“志望校のアドミン”に“自分”という商品を選んでもらうか?」ということに尽きる。これは、自身の専門領域である「BtoCマーケティング」に酷似していたため、日々のマーケティングknow-howをそのまま当てはめる形で、効率的に勝ち筋を見つけてアプローチできた。伝統的なフレームワークも多く含むが、戦略構築に有効だと思うので、解説していく(人間はバイアスに左右される生き物なので、しばしば立ち止まって客観的な思考を取り入れることが、効果的だと思う)。
2. セルフブランディング
「自分を、理想的な形で、アドミンに認知してもらうために、イメージを構築していく」ことが、ここでいう「セルフ・ブランディング」である。ブランディングの妙で、商品は生きもするし、死にもする。私の場合、「海外経験なし・非トラディショナルキャリア」というバックグラウンドがために、当初カウンセラーから、HBSはまず無理と言われた。彼らは経験則的なアプローチに偏っているので、その結論に達するのも致し方ない。しかし、例えば、「海外経験なし」という一見ネガティブに映るファクトも、メッセージングの仕方によっては、ポジティブなイメージ付与に使える。以下、参考までに、インタビューでの私の主張を抜粋。
「I’m so excited about how far I’ve come to reach this point …(中略)… because I was a kid who never had any access to international opportunities …(中略)… My personal aspiration is to be a role model for younger generation and encourage them to globalize themselves …(中略)… I believe I can make a bigger impact on my community, Japan.」
もちろん根本的にこの思いを抱いていたという事実は不可欠だが、このメッセージをとりわけアドミンに伝えたいと思ったのは、以下の分析とアイデアに基づく。
[分析1]ターゲットカスタマーのニーズ=国や世界を変えるリーダーが欲しい
[分析2]自身のユニークな強み/弱み=海外経験なし
[アイデア]「海外経験なし」は最大の弱みと言われているが、伝え方によっては、最大の強みに成り得るのでは?(というか、この弱みをポジティブなイメージに転換できないと、過去の実績ベースではHBSには受かりっこない。)
最後は“アイデア”が必要になるが、「左脳で“分析”しきった先に、クリエイティビティを発揮するフェーズがある」ということを強調したい。以下、この分析手法として、一部の人にはなじみ深いであろう伝統的なフレームワークの紹介と、その活用方法を示す。
3. 3C分析
①Customer
「アドミン」のニーズを理解する。どんな人物が欲しいか?合格者でどのようなポートフォリオ(ダイバーシティ)を組みたいか?当然、学校によって、ニーズは異なる。
②Company
「自分」を知る。自分の強み・弱み、ユニークセールスポイントは何か?それは、どのように育まれてきたのか?
③Competitor
「他の受験者」を知る。相対の中で、自己の勝てるポジションやユニークセールスポイントを探す。
4. SWOT分析
上記の3C分析に活用する。自己・他者のStrength / Weakness / Opportunity / Threatは何か?SやWはわかりやすく誰もが自然と分析するであろうが、ビジネスと同様に、OやTをセットに考えることが非常に重要になる。「今、自分だから、この強みを活かして、この機会を最大化できます。だから、お宅の学校に入れた方が賢明ですよ。」という話法。特に、社費留学生の場合は、会社のSWOTをセルフブランディングに取り入れる視点も有効。
5. ブランドの構成要素
①最低限の資質(主にスコア)
学校ごとに、求める最低限の資質は異なる。非トラディショナルキャリアの場合、学力の質を保証する材料として、より高いスコアを取る必要があるかもしれない。私の場合、GPAが低かったため、GMATはゴールスクールの平均である730点をバーにおいていた。(なお、GPAは、World Education Serviceという公式なGPA換算サービスに出すと、爆上がりする可能性があります。笑)
②価値あるユニークネス
学校ごとに、価値となるポイントは異なる。自分が価値だと思うことが、学校にとって価値でないことはよくあるし、逆もまたしかり。プロのカウンセラーとの壁打ちや、同窓生・在校生とのチャットによって、それが「価値あるユニークネスか」を確認する必要がある。その際、常に仮説を持ったうえで、ブレストにお付き合いいただくことが重要。多くの目的志向的活動に共通すると思うが、まずは自分で考え抜くことが、良質なアウトプットへの近道。私の場合、上述の「海外経験なし」というユニークネスの“価値ある伝え方”を立証するにあたり、現地在校生のMock Interview Service “MBAvenue”を重宝した。この立証プロセスは、文化・社会通念を共有している日本人より、現地のアメリカ人に聞いてもらう方が精度が高いと思う。
6.ニーズ分析
上述の3C分析におけるCustomerのニーズ分析は非常に重要となるので、こちらで補足する。もちろん学校ごとにその色は異なるが、以下の3点は、多くのトップ校に通底するニーズだと分析している。この切り口を軸に、自分なりの分析をするのが効率的かと思う。
①日本・世界を変えてくれそう(CEOの視座と洞察力はあるか?Entrepreneurshipはあるか?それは実現可能か?また、それを実現するリーダーシップはあるか?など)
②Communityに貢献してくれそう(クラスメイトに有意義な知の共有ができるか?インクルーシブなコミュニティ形成に貢献できるか?クラブ活動を活性化できるか?卒業後に学校のレピュテーションをあげてくれるか?Alumとして同窓会活動をしてくれるか?など)
③それはあなただからできる(それらは、あなたの「価値あるユニークネス」に基づいているか?)
項目③は、Authenticityを担保するために不可欠な視点である。例えば、不愛想な人間が、「日々のコミュニケーションでコラボラティブな環境を作ります」と言っても、誰も信じない。InterviewやReceptionでの所作や、過去の自分らしいストーリーとともに伝えることで、効果的に自分というブランドを売り込むことができる。
なお、ニーズ分析をすることで、いくつかの学校を自分のターゲットから除外することができるかもしれない。彼らが求めるニーズが、自分のユニークネスや価値観と呼応しない場合、それはターゲットとして相応しくない。「万人に好かれるブランドは存在しない」という開き直りのもと、前向きに取捨選択することをお勧めする。
7.メッセージング
セルフブランディングのゴールは、「自分を、理想的な形で、アドミンに認知してもらうために、イメージを構築していく」ことである。このイメージ構築のために、メッセージングという視点を取り入れることが有効だと考える。多くの場合、エッセイ・インタビュー・レジュメ・キャンパスビジット・推薦状・インフォセッション等を、「それぞれに求められているものは何か?」という思考のもと、個別に攻略しようとしがちだと思うが、あまり得策には思えない。アドミンとの接点は、全てがコミュニケーションのツールであって、その全てのツールを使って、最後に何をメッセージとして残したいかを考え、ブランドを売り込んでいく必要がある。そのため、「エッセイで伝えること」「レジュメで伝えること」「インタビューで伝えること」「推薦状で伝えて欲しいこと」など、それぞれに担わせるメッセージを整理して、包括的に考えることが鍵になる。特にレジュメにおいては、“アチーブメントを書く”のではなく、“アチーブメントという裏付けによって自分の強みを伝える”という視点が、メッセージングの観点では必要になってくる。私の場合は、大きなアチーブメントを並べるだけでなく、専門分野・経験の広さが伝わるように工夫した。なお、突き放すようだが、メッセージングのアイデアはクリエイティブな領域なので、自分のセンスを磨くか、カウンセラーをブレストのパートナーとして活用することで、より良いアウトプットに繋げる必要がある。
(補足)
「Why MBA?(なんでMBA受けたいの?)」は頻出のエッセイQである。基本的には、「自分の目標は○○です。でも、今の能力だけでは達成できそうにありません。だから、○○を達成するために、MBA(とりわけあなたの学校のMBA)での学び・ネットワークが必要です。」というストーリーを組むことになる。こちらも、上述のとおり、アドミンのニーズを汲み取って、学校ごとに内容をマイナーチェンジすることで、ターゲットに刺さるメッセージングとなる。
8.最後に
長くなったが、上記の思考は、生きていく上でも有用だと思い、文量を割いて記載している。結局のところ、人間の根っこの性格や過去は変えることができないし、無理矢理飾ることが幸せだとも思わない。ただ、未来を変えたいと思った時、適切なターゲティング・メッセージングによって、自分を肯定しながらチャンスを広げられるのであれば、これ以上に幸せ(かつ省エネ)なことはないと思う。
<学校選択>
Q. 受験校はどのように選択しましたか。
自分が一番成長できると思う環境を選んで受験した。(HBSはインタビューの内容が他校とは異なるため、それに特化した練習をすべく、1stでの出願校は数を絞った。)
<その他>
Q. キャンパスビジットを行った場合、実施時期や内容について教えてください。(ビジット実施校、実施時期、実施内容、訪問した人、選考においてどのような効果があったか、など)
実施時期は既出なので省略する。先述のとおり、キャンパスビジットも、有効なアドミンとのコミュニケーション手段になると思う(裏目に出る可能性もあるので、準備が必要だが)。私の場合、クラスビジット・在校生チャットに加え、アドミンへの飛び込み営業を行った。飛び込み営業を行ったのは、以下2点を踏まえ、魅力的な受験生として事前に認知してもらわないと、そもそも書類ではじかれる可能性が高いと思っていたからである。
①過去10年で、勤務先から米国トップ校のFull MBAに合格した者がいない。(=勤務先の名前が知られていない。)
②海外経験がないため、英語でのコミュニケーション力に難があると思われうる。
しっかりと準備することで、拙い英語ではあるが、コミュニケーション力は示すことはできた。また、GMATのスコアや在校生との繋がりをアピールすることで、好印象を与えることができた。
Advice and Messages
Q. 失敗談や後悔していること、もっと早く知っておきたかったことなど、今後受験する方々へのアドバイスがあれば教えてください。
アプリケーションに際して、繋がっているAlumniや在校生の名前を記入させる学校が多い(知る限り、HBSとGSBは除く)。人数を稼ぐことが本旨では無いが、ネットワーキングを図る良い機会だと思って、興味がある学校のイベントには積極的に参加することをお勧めします。
Q. 一言メッセージ
自分自身、つい数年前までは想像もしていなかったところにいます(MBAが何を意味するのか知らなかった・・・笑)。私の場合、20代後半で、怪我をきっかけに自分をglobalizeすることを決意しました。想像に易いと思いますが、受験を始めたころ、心理的なハードルはとても高かったです・・・。こんな行き当たりばったりの人生を送ってきたこともあり、「未来は変えられる」と信じられる(信じてもいいと思わせてくれる)社会であればいいな、と感じています。留学は手段でしかないですが、まずはその小さな一歩と、卒業後の大きな一歩で、お互い切磋琢磨し支えあって、個人・社会の未来を変えていけると嬉しいです。横の繋がりに留まらず、縦の繋がりも作っていきましょう。Vamos!