合格体験記 / ダートマス大学タックスクールオブビジネス / Dartmouth College Tuck School of Business / ショアライン

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投稿者プロフィール

Q. 投稿者(ペンネームorイニシャル)
ショアライン

Q. 進学予定校
Tuck School of Business at Dartmouth

Q. 進学予定校のカテゴリ
Full-Time MBA (2 year)

Q. 進学予定校の地域
アメリカ

Q. 受験校
Tuck, Kellogg MMM, Haas, Stanford MSx, HBS, MIT Sloan Fellows, Tepper, CJBS

Q. インタビュー実施校
Tuck, Kellogg MMM, Haas, Stanford MSx

Q. 合格校
Tuck, Kellogg MMM, Haas(WL中に辞退)

Q. 性別
男性

Q. 出願時年齢
31歳〜35歳

Q. 海外経験と期間 (例: 旅行程度の経験以外無し、学生時に1年間米国に留学、入社後2年間シンガポール赴任、etc.)
高校時代に1年アメリカに留学、入社後3年間アメリカ駐在

Q. 費用
私費

Q. 奨学金
取得済み

Q. 最終学歴 (国内/海外・国立/私立・大学/大学院・文系/理系)
国内・私立・大学・文系

Q. GPA
2.57

Q. 受験した試験と出願スコア (GMAT:点数(V/Q/IR/AWA)/GRE:点数(V/Q/AW)/TOEFL:点数(R/L/S/W)/IELTS:点数(R/L/S/W))
GMAT: 720 (V40/Q49/IR4/AWA5.0), TOEFL:111 (R29,L30,S23,W29)

Q. 塾
受験期間は海外に住んでいましたので、選択肢が少なかったです。GMAT V対策で濱口塾の通信講座を利用。

Q. カウンセラー
学部生の受験コンサルタントを行なっていた友人にペースメイキングと壁打ちのために格安で契約してもらいました。そのほか、Ed Lee (当初メイン), Matthew Aldridge (当初セカンド、徐々にメイン), Lauren Unik (CJBSのみ)

Introduction

Q. バックグラウンドや職務経験などについて、教えてください。
北陸の田舎に生まれ、海外はおろか、ほぼ県外で生活しているような親戚はいないドメドメ、コンサバな環境で育ちました。そんな環境への反抗心から、高2でアメリカに10ヶ月留学をしたことが大きな転機になりました。自分にはアメリカの水が合っていると確信し、アメリカの大学を受験しましたがことごとく失敗、滑り止めで受けていた国内の大学に入りました。ここでアメリカ留学を諦めてしまった決断を、この後社会人になって10年間引きずりました。

結局、アメリカへの憧れから外資系テック企業に営業職として新卒入社しましたが、自分は日本でくすぶっている人間ではないという根拠のない自信と、それと裏腹になかなか仕事が思うように板につかないストレスとのジレンマで、社会人初めの5年間で±20kgの体重の増減を繰り返しました。

転機は社会人7年目にシリコンバレー駐在に選んでもらったことです。営業職から事業開発職に鞍替えし、現地で日本企業のDX、新規事業開発を支援する仕事につきました。立場が変わり、会う人が代わり、環境が変わったことでまた根拠のない自信が開眼し、いつかシリコンバレーにベンチマークされるような日本企業のターンアラウンドマネージャーになりたい、という想いを抱くようになって今に至ります。

Why MBA?

Q. なぜ、留学に行こうと思ったのですか。(そのきっかけや理由を教えてください。)
建前では、日本企業の不得手なターンアラウンドマネジメント、特にイノベーションと既存事業のバランスをとっていく戦略策定や文化醸成を先陣切ってリードできるリーダーになりたいと思ったことです。シリコンバレーで、苦境にあっても新しいことにアクセルを踏み続けるリーダーや、そうしたリーダーを育成する体系が染み付いているビジョナリーカンパニーをたくさん目にしました。短期的にはそうした企業に経営戦略ロールで入りこみ、いずれは日本企業にプラクティスを持ち帰れるようなウミガメになりたいと思います。MBAはこうしたキャリアへの最もROIの高い踏み台だと思いました。

本音では、10年間心に抱いていたアメリカ留学を果たしておかないと一生後悔すると考えたことです。昭和最後の世代、もうMBA留学するにはほぼ最後の年齢だったので勇気を出して決断しました。また、アメリカで上澄み層は超学歴社会であることを目の当たりしたこともあります。正直、今の会社で内部昇進してアメリカを目指す線もありましたが、常に学歴のビハインドがついてまわるだろうな、と感じました。MBA取ったから世界が開けるわけではないと思いますが、移民がアメリカでもそれなりに勝負できるシグナルとしては有用だと思いました。

Q. 留学の目的や活動予定について教えてください。
現地就職できるように就活に最大のエネルギーをさきたいと思います。クラブ活動に加え、論文やホワイトペーパーの執筆を積極的に行い、就職先への貢献を明確に示せるような土台を用意していきたいです。一方でこの年で2年もキャリアを中休みするわけですから、これまでチャレンジしたことがないことに手を出したいです。起業にも興味がありますし、NPO、教育、プロボノ活動などなど。とにかくやりたいことが多すぎて今からドキドキしています。

Q. 留学後のビジョンを教えてください。 
アメリカのテック企業の経営戦略ロールに現地就職したいと思います。レイターステージのスタートアップか、Bigtechと呼ばれるような老舗がいいです。成長を続ける背景で、イノベーションが制約されたり阻害されたりする環境をどうやってマネージしているのかをインサイダーとして見てみたいです。5年〜10年くらいアメリカで働いて、日本に戻ろうかな、と思います。

Preparation for MBA Application

<概論>
留学を考え始めてから、実際に受験するまではどのようなスケジュールで準備をしましたか。
2007年:
アメリカの大学受験に失敗。いろいろ自分に言い訳して日本の大学に進学する。と言いつつ大学ではしこたま遊んでしまい留学の夢をすっかり忘れる。人間とはいかに意思の弱い生き物なのか。

2011年:
社会人になる。この頃からMBA行きたいなと思うようになる。まだ憧れ。そのうち願書に書けるような成果を残してから考えようと言い訳しつつ、GMAT参考書をたまに買ってはブックオフの養分になる。この頃にブックオフで使った形跡のない参考書を手にした方、アレ僕のです。

2017年:
シリコンバレーに駐在開始。帰国後の転職を決めた前任者に人生相談したところ、「お前の次のステップはMBAしかないでしょ」と背中を押してもらう。サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフを背に語る先輩の姿が妙に神々しく、駐在が終わったらMBA、と決意する。それでも仕事が忙しくてなかなか準備を始められないまま時間が過ぎる。人間とはいかに意志の弱い(略

2019年10月:
そろそろ帰国が見えた頃にKellogg MBAとEmory MBAの同僚とランチ。「アメリカで働きたいならMBA持ってた方がいいよ」とまた神級のお告げを受ける。正直、駐在から現地就職に切り替えて永住、という線もないことはなかったが、どうせならとMBA受験を決意。自分の性格はよくわかっていたので、その場で自分のネットワーク上の全てのMBAホルダーに連絡を入れ、受験の相談をするという体で自分を追い込む。ようやく重い腰が上がった。

2019年11月:
アメリカで学部生の受験コンサルタントとして独立した友人に受験を相談、ペースメイキングのために格安でコンサルしてもらうことに。纏まった金額を拠出し、いよいよ後に引けない。TOEFL勉強開始。月末に初回受験し104(R23, L29, S25, W27)。並行して日本人のMBA卒業生と毎日チャットをお願いする。コンサル(友人)からTOEFLに集中するようにと叱られる。

2019年12月:
TOEFL 2回目 106(R29, L26, S23, W28)。韓国教材でRのコツを掴んだ感じ。一方、Sは全然コツを掴めず自信を失う。アメリカ在住なのに恥ずかしい。Twitter上で早い人はGMATに移行し出して焦る。この頃からGMATを勉強したくて仕方ないという、人生で二度と味わわないであろう謎の心境に陥る。

2020年1月:
スパルタなコンサル(友人)に背中を押され、1/11と1/18連続でTOEFLを予約。この2回で110越えないとR1間に合わないかもよ、とプレッシャーを受ける。4回目を受験し終わった帰りの駐車場で3回目のスコアを見て歓喜。文字通りガッツポーズ。受験期間のハイライトの一つ。3回目 111(R29, L30, S23, W29)、4回目 106(R30, L28, S23, W25)。Sが変わらず低迷していることに引け目も感じたが、一旦TOEFL終了して念願のGMATに移行。

2020年2月-5月:
GMAT一色の単調な日々。コロナの影響で勉強時間が確保しやすかった。勉強ってこんなに辛かったか。成果見えず辛い。3月の一時帰国の際に初めてTwitterの受験仲間・先輩とのオフ会に参加。苦しい思いを共有できる仲間ができてTwitterの偉大さに気づく。Twitterなかったら受験やめてたと思うことその後多数。

2020年6月:
GMAT初回 660(V30 Q49)。意外といけるじゃんと思ってしまった。Edにファーストコンタクト開始。とりあえずGMAT伸ばしてからコンタクトしてくれ、と突っぱねられる。

2020年7月:
GMAT 2回目 また660(V34 Q47)。そろそろ1stの準備始めないと間に合わないかもという焦りが辛かった。この頃はGMATがそこまで要求されないEMBAの方がいいのでは?と弱気になる。ほんとうまくいかないことがあるとすぐ逃避に走る。

2020年8月:
今月GMATが700超えなかったらR1諦める覚悟で臨む。3回目690(V35 Q49)。EdにこれでGMAT卒業していいか相談するも「GPA低いからそのGMATじゃトップスクール無理」と突っぱねられる。もう1回だけ受けよう。4回目 700(V35 Q49)。前回と同じ内訳なのに総合点数上がってちょっと微妙。だったら前回700出しといてよ。点数が出たらEMBAのオプションはすぐ消える。おそらく1stは出願できて1校だろうということで、Stanford MSxに専願することを決める。

2020年9月:
MSx出願準備に全ての時間を使いつつ、ワンチャンスコアアップを期待して受けた5回目で720(V40, Q49)。嬉しかったが勉強してないブランクあったのに点数出ちゃって苦笑い。Matthewにコンタクト開始。What Matters Mostエッセイはv10を超える。日本への帰任準備と相まってとにかく忙しい。結局月末にMSx出願。もうほぼ受かったつもりになる。

2020年10月-11月:
MSx受かるだろうと思っていたので基本はMSxのインタビュー対策。万が一を想定してMIT Sloan Fellowsも準備しておく。受験に費やす時間は一気に減ってしまった。出張にかこつけてMITとHBSはキャンパスビジット。

2020年12月:
忘れられない12月10日のMSx合格発表。Clear Admitで次々と合格速報が流れても合格を信じて疑わなかった。でも電話が来ない。おかしい。結局朝まで一睡もできなかった。朝になってWaitlist通知が届いてショックを受ける。前日までは「まさか落ちることはないだろう」だったのに一晩で「どこも受からないのでは」に変わる。自信なんて気持ちの持ちようでしかない。1週間落ち込んで、なりふり構わず6校のR2受験を決意。1週間に1校のペースで出願していかないと間に合わない。

2021年1月:
正月返上で準備してなんとか成人の日までに6校出願を終える。すぐにKelloggのインタビュー通知が届き自尊心を保つ。毎日インタビュー練習。Camblyにも登録し、暇があればとにかく英語を話す生活に。月末にTuckのインタビュー受領。

2021年2月:
Kellogg, Tuckと続けてインタビュー。MIT、HBS、Tepperと連続でお祈りされ、全落ちの恐怖が蘇る。アメリカは今年はキツいという噂が流れ、念のためEU校も、ということでCJBSに出願。諦めた頃にHaasのインタビュー通知。

2021年3月:
Tuckから合格連絡。この着信の時の高揚感は多分一生忘れない。続けてKelloggから合格連絡。正直、1校だけしか受からなかったらどれだけ楽だっただろうかと悩む。MSx、CJBS落選。HaasはWL通知。

2021年4月:
散々悩んだ末にTuckに進学を決めて受験終了。”

Q. 大学院や受験方法についての情報収集はどのようにして行いましたか。(Info session, OB/OG訪問、Campus Visitなど)
1次情報にあたろうと、とにかくLinkedIn / Twitter / Facebookで在校生やアルムナイに片っ端からコンタクトしてチャットを続けました。進学を決めたTuckは在校生 13人(うち日本人4人)、アルムナイ 34人(26人)にお話を聞きました。Stanford, Haasは当時住んでいた場所から近かったのでしょっちゅう通いました。MIT/HBSは秋に一度だけビジット。それ以外はコロナの影響でビジットできませんでした。

Q. 受験準備にかかった費用について、教えてください。 
カウンセラー 100万円
TOEFL/GMAT 参考書・テスト費 30万円
出願料 30万円
計 160万円

Q. 留学にあたって、必要費用(受験費用や、進学後の授業料・生活費等)はどのようにして調達しましたか。
受験費用は貯金。
進学後は奨学金(40%)+ローン(50%)+貯金(10%)

<スコアメイク>
Q. TOEFL/IELTSについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別(R/L/S/W)の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
R:
当初から25前後で比較的安定していたので、中国・韓国教材の難易度の高いものを取り寄せて解法とペースの習得を心がけました。長文は多少時間がかかってもストーリーとして頭に入ってくるまでは集中して読むようにしました。満点狙い。

L:
ほぼ対策なし。集中力だけ切らさないように心がけましたが、テスト中一番落ち着いて取り組める箇所でしたので、ペースセッティングのつもりで落ち着いて受験するようにしました。満点狙い。

S:
最後までコツを掴めませんでした。日常会話でスピーキングで苦労することはあまりないのですが、普段から話が長い人間ですので、短時間で要旨をパッとまとめることが言語を問わず苦手なのでしょう… Indepはウェブで拾ったE4◯Gの解法などいろいろ試しました。Integはテイエス企画「TOEFLテスト集中攻略スピーキング」を繰り返したのと、Web TOEFLのオンライン講座を一通り受講しました。大抵が時間切れで尻切れトンボで終わるありさまでした。苦手意識。25点は超える意識で。

W:
IndepはEssay2Dayにとても助けられました。TOEFL受験を通してペース配分や集中力など一番伸びを実感したところです。オススメです。IntegはWeb TOEFLの講座で紹介されていた内容とテンプレートが参考になりました。こちらも25点を超える意識で始めましたが、尻上がりに得意になってSの体たらくを補えた感じです。

Q. GMAT・GREについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
V:
もともとVで40近く取れないと700超えが厳しそうだと分かっていたので、V対策に多くの時間を割きました。基本は全科目濱口塾の通信講座の復習です。後半は毎回ストップウォッチを使ってタイムキーピングを行い、正答率と見比べながら勉強する科目の微調整を行いました。SCで1:20/問、CRで1:40/問、RCで2:00/問のペースが出るようになってからは目に見えてスコアが安定しました。CRは加えてManhattanの参考書を使い、問題のパターンを認識する練習を行いました。

Q:
文系学部卒で仕事でもそこまでQuantスキルを使うようなことはありませんでしたので、Qは49-50狙い、Vでそこそこ稼いで700超えるような作戦を立てました。マスアカを徹底的にやり込みました。終盤にはOGのAdvanced Questionsを購入してタイムキーピングの練習を行いました。全体の勉強量に対して15-20%程度。Prepで時間内に全問回答でき、かつ50-51が安定して取れるようになってからは力が落ちないように慣らし運転で乗り切ったイメージです。

<Essay & interview>
Q. 上述のカウンセラーに決めた理由、及び当該カウンセラーに対する感想を教えてください
Ed:
最初にコンタクトしました。圧倒的に各校の傾向と対策に関する情報量が多いです。海外在住で孤独な受験生活でしたので、Edなしでは効率的な情報収集ができていなかったと思います。エッセイの構成については少し控えめな印象を受けたので徐々にMatthewのウェイトが多くなった時期もありましたが、最後まで真摯に、かつ暖かくサポートしてくれる方です。

Matthew:
最初はセカンドオピニオン、並びにインタビュー対策くらいの気持ちでお願いしたのですが、尻上がりでものすごく信頼をおくようになりました。計40時間くらいはサポートいただきました。受験生をよく見たアドバイスをしてくれましたし、こちらの締め切りやペース配分に合わせてプロフェッショナルに対応してくれます。個人的にはEdとMatthewのダブル起用はとてもおすすめで、お互いがうまく補完し合うようなバランスだと思います。

Lauren:
Cambridge出身だということで、CJBS対策で起用しました。とにかく安い。コスパは最高です。クオリティも劣後しなかったと思います。

その他:
アメリカの学部受験のコンサルを行っていた友人に格安で当初のペースメイキングを依頼しました。最初の立ち上げで受験校の選定やテストの受験計画を作るところなど心強かったです。また、当初は定額制のコンサルタントを起用しかけたのですが、少し起用方針をめぐってトラブルになってしまい冷や汗をかいたこともあります。どうしても受験生が弱い立場にありますので、違和感を感じるようであれば根気強く別のコンサルタントを探し続ける労力が大事だと思います。”

Q. エッセイについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
R1で受験したStanford MSxには2ヶ月ほど時間を使えましたので、推敲を繰り返すことができました。Stanfordはエッセイ大小5つ、その他職歴等もガッツリ書かされますので、とにかくボリュームが大きかったです。その分、その後に受験した7校はほぼその時に考えた内容の使い回しです。最初にボリュームの大きい学校のエッセイに取り組むことはオススメです。一方、第一志望の学校に落ちた時のショックは大きいので、志望順に出願していくかどうかはご自身のメンタルの強さと相談してください。学校あたりにかける時間はだんだんこなれていきます。最後は1週間あれば一から書き上げて提出できそうな感覚でした(推薦状の手配を除く)。

Q. 推薦状について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
上司と社長の2名に依頼しました。仕事ぶりもよく分かってくれている上、相談もしやすい関係でしたので、最後までとてもサポーティブに対応してくれました。直属の上司には退職で直接迷惑をかけてしまうのですが、何度も学校ごとのクライテリアに応じて推薦状を書き直してくれ、このプロセスを通して逆に絆が深まったと思います。上司のサポートを得ていたため、退職することについても会社とのトラブルはありませんでした。一方、実際に退職する1年ほど前から退職の意思を伝える形になってしまったので、一度目の前にあった昇格のチャンスを見送りましたし、この1年間は積極的に仕事がしづらい状況にありました。私費生にとって、どなたに推薦状をお願いするか、いつお願いするかは非常に大きな課題であることを痛感しました。

Q. インタビューについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
インタビュー対策は対人の練習なくしては成立しないと思います。自分の性格をよく理解し、それに合った方に対策の伴走をお願いするのが鍵だと思います。私の場合はそこそこ自信がある状況でスタートできましたので、この勢いを保ってくれる前向きな人と壁打ちを続けることにしました。その点ではMatthewとEdは大変良かったです。一度、厳しいフィードバックで有名なカウンセラーにモックをお願いしたこともあったのですが、自分には合わないと判断してすぐ切り上げてしまいました。

Q. エッセー及びインタビューを通じて、自己PRとして、どのような内容をアピールしましたか。
本音を言えば自分の強みはゴリゴリリーダーシップ、多少意見が違う人でも強引に丸め込んで物事を進めてしまう重戦車のようなところなのですが、これはMBAで求められるチームワークにはそぐわないと判断し、多少本来の自分自身を隠すような作戦で通しました。結局受験としては2勝6敗でしたので、この辺りの裏表が透けて見えたのかもしれません。ただ、合格をいただいた学校はいずれもコラボラティブで有名なスクールですので、それらについては作戦がマッチしたのだと思います。いずれにせよ、バカ正直に自分の長所と短所を書き連ねるよりは、学校のクライテリアを理解して多少フィットを演出した方がいいという私見です。ここは人によって大きく意見が分かれるところだと思います。

<学校選択>
Q. 受験校はどのように選択しましたか。
・アメリカ就職に強いトップスクール
・年齢層が高く、規模が小さく、落ち着いたコミュニティ
・在校生や卒業生とのフィット

とはいえ、トップ志望校2-3校以外は「せっかくなら一緒に受けちゃうか」ノリ受験だったり、リストから消去法的に選ぶようなこともしました。結局当初の第一志望の学校にはご縁なかったですが、今日時点ではTuckを選んで良かったと心から思っていますし、受験期間中に志望順位はコロコロ変わりました。そんなものかな、くらいに考えて手広く受けておくことがオススメです。「この学校受けておけばよかった」は多数。一方、「この学校受けなきゃ良かった」と後悔することはほとんどないと思います。

Q. 進学校の決め手は何でしたか。 
・スマートで暖かく、落ち着いた大人な在校生、卒業生、Adcom、教授の雰囲気に惚れ込んだ
・クラス、卒業生コミュニティ双方に貢献できるところがあり、自分の居場所がありそうと感じた
・アカデミックに強そうで、純粋に一番知的好奇心がそそられた
・奨学金(最後の一押し)

最後はTuckとKelloggの双方で比較しました。双方の在校生にリーチし、同じ比較をしてそれぞれの学校を選んだポイントをたくさん聞きました。勝手な印象ですが、Kelloggはブランド、キャリア、アクセスなどで選んでいる方が多く、Tuckはコミュニティ、アカデミック、人生経験などで選んだ方が多い印象を受け、(MBA進学先を選ぶ基準としては甘い考えかもしれませんが)後者の方が私には本質的に聞こえました。

Tuckはとにかくコミュニティの雰囲気が素晴らしい学校です。育ちがよく飾らないエリート校、といった様子で、とにかくリーチした在校生、卒業生の多くが進んで時間をとってアドバイスをくださいました。多くが「Tuckを受けてくれてありがとう」と口にされたことも印象的で、みなさんTuckのコミュニティを背負っている意識が強いんだな、と感動しました。

<その他>
Q. 奨学金に応募をした場合、奨学金の内容や応募方法などについて教えてください。
Tuckから多額の奨学金をいただきました。合格通知のタイミングでも少なくない額のオファーをいただいていたのですが、その後、資金計画がかなり厳しそうなことをAdcomに正直に伝えたところ、とてもスピーディーに追加の奨学金を付与してくれました。加えて、合格後に卒業生の方とネットワークを続けている中で、幸運にも奨学金用途の寄付をちょうど行った方とお会いでき、学校に少し口利きをしていただいたことも大きかったようです。額面以上に、このプロセスを通して、学校、卒業生双方が真剣に受験生に向き合ってくださっていることを実感でき、大きくロイヤリティを感じる出来事になりました。私も将来、学校に基金を設立できるような人間になりたいと真剣に思います。

Advice and Messages

Q. 失敗談や後悔していること、もっと早く知っておきたかったことなど、今後受験する方々へのアドバイスがあれば教えてください。
資金調達は少し甘くみすぎたかな、と反省しています。多くの学校は留学生への奨学金やローンのプールは限られていて、自国でなんとか自分で調達しなさい、というスタンスを取っていることが終盤でわかりました。一方、30代、低GPA、在外、住宅ローン、子育て中、など貸し手から見た悪条件が揃ったようなプロフィールの私は、国内で奨学金はおろか、ローンもほとんど選択肢がありませんでした。たまたまTuckからの奨学金やローン(アメリカ人の保証人がいらないもの)が潤沢にあったことでなんとかなりましたが、他校だと受かっても行けなかった、という結論があり得たことを思うと背筋が凍る思いです。「お金はなんとかなる」と多く耳にするでしょうし、私もたまたまなんとかなってしまっていますが、私費の苦学生を予定するみなさんはぜひ真剣に、早めに学校ごとのポリシーなども加味して準備されることをお勧めします。

Q. 一言メッセージ
私は初めにMBA受験を考えてから10年かかりました。「エッセイにかけるようなプロフィールでない」「仕事が忙しくて勉強する時間がない」「貯金がない」「子供ができた」いろいろ言い訳をしながらここまで来ましたが、結局のところ、時間が経過したことで言い訳が減ることはほとんどありませんでした。思い立った今日が、残りの人生で最もMBA受験を始めるのに適した日だと思います。この長ったらしいコラムを読んでくださって大変ありがたいですが、いますぐブラウザを閉じてGMATの勉強を始められることを強くお勧めします。皆さんの受験、そしてMBA生活が実り多いものになるよう、心から応援しています!

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