合格体験記 / ダートマス大学タックスクールオブビジネス / Dartmouth College Tuck School of Business / Y.S

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投稿者プロフィール

Q. 投稿者(ペンネームorイニシャル)

Y.S.

Q. 進学予定校

Tuck School of Business, Dartmouth College

Q. 進学予定校のカテゴリ

Full-Time MBA

Q. 進学予定校の地域

アメリカ

Q. 受験校および出願ラウンド

2022 Round 2: Tuck, Columbia
2021 Round 2: Tuck, Wharton, Cornell Johnson, UCLA Anderson, IESE

Q. インタビュー実施校

2022: Tuck, Columbia / 2021: Cornell, UCLA Anderson, IESE

Q. 合格校

2022: Tuck / 2021: UCLA Anderson, IESE

Q. 性別

男性

Q. 出願時年齢

26歳~30歳

Q. 海外経験と期間 (例: 旅行程度の経験以外無し、学生時に1年間米国に留学、入社後2年間シンガポール赴任、etc.)

小学校3年、中学校3年を英語圏の海外。
入社後は出張ベースで米国を行き来する生活を3年、米国駐在1年

Q. 費用

私費
私費受験→合格後に社費派遣へ切替

Q. 奨学金

取得済み

Q. 最終学歴 (国内/海外・国立/私立・大学/大学院・文系/理系)

国内私立大学

Q. GPA

3.5

Q. 受験した試験と出願スコア (GMAT:点数(V/Q/IR/AWA)/GRE:点数(V/Q/AW)/TOEFL:点数(R/L/S/W)/IELTS:点数(R/L/S/W))

GMAT 700 (V 37/Q48/IR8/AWA5), TOEFL 109 (R30, L25, S29, W25)

Q. 塾

AGOS, E4TG, G-Prep, e-GMAT

Q. カウンセラー

L-ink 木下さん、Sam Haldeman、Nish

Introduction

Q. バックグラウンドや職務経験などについて、教えてください。

バックグラウンド:中学卒業まで、日本での生活を挟みつつ計6年程度海外にて生活。英語を感覚的に身に付けることは苦労しなかったものの、14歳の帰国以降は留学もすることなく、社会に出るまでほとんど英語を使わないまま過ごしてきたため、英語への自信は皆無

職務経験:総合商社で丸6年。1年目を計数・事業管理、2年目~6年目まで営業部にて航空宇宙/防衛事業(トレード、新規事業開発、Feasibility Studyなど)に従事。主要取引先が米国企業であったため、米国への出張や駐在を経験することができ、6年の間に辛うじてアメリカの商習慣への理解を深めることができました。途中ベトナム・ハノイにてベトナム語の語学研修へ派遣

Why 留学?

Q. なぜ、留学に行こうと思ったのですか。(そのきっかけや理由を教えてください。)

理由としてはかなりざっくり分けて4つあります。

I. 海外留学を志した直接のきっかけは、中学時代に通っていたインターナショナルスクールでの経験が大きく影響しています。世界50か国以上の国々からやって来た各国の子供たちと共に学ぶことができたその環境は大変刺激的で、子供ながらにいつか大人になって同じような環境で、プロフェッショナルに学びたいと思っていました。それ自体は全くもって理屈ではなく、その純然たる想いはMBA受験合格を目指すうえでの強烈な原動力となり、足掛け3年に及ぶ長い受験生活をやり抜く上での支えとなりました。

II. 米国の取引先(Fortune 500 / 時価総額世界ランキングで上位に入る企業)の社員の多くがMBAホルダーで、加えてその会社の幹部になるような方々は米国トップ校のMBA出身の方が多かった、という事実を米国駐在中に目の当たりにしました。間近でそういったロールモデルがいたことは、他の修士ではなくMBAを目指すきっかけとなりました。

III. 稚拙ながら、世界のどこでも活躍できる人材になりたいからです。MBAを取ったからそうなれるとは全く思いませんが、実力を兼ね備えた上でそれを証明する役割や、将来的に喉から手が欲しいほど得たいチャンス(Job Opening)があったときに、有名校のMBAを修了していることは有利に働くと思いました。

IV. 一度きりの人生、シンプルに世界中に優秀な友人がいると楽しく、豊かな人生になるのではないかと考えました。

Preparation for Application

<概論>

Q. 留学を考え始めてから、実際に受験するまではどのようなスケジュールで準備をしましたか。

大学を卒業した2017年から留学を見据えていたので、スケジュールはかなり具体的に立てていた一方、仕事が最優先という価値観のもと、特に1年目は仕事を覚えることを優先し、実際の受験勉強は2019年後半から開始しました。それでも公私様々な出来事があり、計画は2年も後ろ倒れました。結果的に受験期間が長くなっているのに加え、合格体験記の読み手が期待するものは綺麗なサクセスストーリーではなく、どのようにどん底から這い上がって成功したかという泥臭いところだと推察するので、表現も固いものではなく、極力口語に近い表現で、多少冗長だが覚えていることをストーリー立てて書くことにしました。少しでもご参考になれば幸いです。

<以下、これまでの歩み>

2019年9月
海外研修から帰国。21年9月入学を目指し、受験勉強開始。まずはTOEFL対策からスタート。当初周りからはIELTSを受験することを勧められていたが、受験勉強を通じて英語の実力も向上させたいと考えていたので、1点刻みで自分の成長を確認できるTOEFLを選択。惹かれていたUS校がTOEFLしか認めていなかったことや、US校を目指すならTOEFLだろうというバイアスもあったと思う。この一年前の2018年に初受験したTOEFLが92点だったため、まずは100点突破を目指す。

2020年2月
業務が立て込み、思うようにTOEFLの勉強時間を確保できず、一方で20-21シーズンのRound 2 (以下R2)を目指すとなるといい加減TOEFLを片づけ、GMATに進まねばと焦る。焦燥感から月末にTOEFL受験、めでたく目標としていた100点へギリギリ到達。(R25, L25, S23, W27)
一旦GMATへ移行することを決意。ここから最終的な点数を獲得するまで丸3年かかるとは微塵も思わなかった。

2020年3月
速やかにTOEFL の点数をAGOSに連絡し、GMATの勉強を開始してもよいとのアドバイスを貰う。
同時に出願対策も開始。この頃からコロナが世界中に広まり、パンデミックが留学に与える影響をぼんやり考えるようになり、ディモチベートされる。
AGOSのGMAT対策講座はスケジュールが上手くはまれば4か月で済むようになっていたので、3月~6月の間に、当時は背水の陣のつもりでGMATに取り組んだ。この時はR1で1校、R2で3-4校出せればよいなと考えていた。

2020年6月
AGOSのGMATコースを修了。講師より、修了後一か月以内くらいを目途にGMAT Prep (模擬試験)で目指したい点数が出れば本番を受験しても良いと言われたので6月の一発合格を目指すものの、初めてのPrepで620点という全く嬉しくない点数が出たため、少し考えるようになる。同時並行で進めていたAGOSの出願対策も、一時中断。GMATで点数が出ない状態で出願書類を準備しても意味がないのではないかと思い、GMATにリソースを全振り。

2020年8月
世界でコロナの影響が深刻化する中、友人からStanford GSBが主催していたオンラインで完結するインキュベーションプログラムに誘われる。
GSBのEntrepreneure系の教授や学校の持つ起業系のリソースにアクセスし、起業を目指すという取り組みは大変興味深く、GMATの学習がうまくいってなかったこともあり、学習を一時中断し、そちらの活動に精を出すようになる。
結果的にこの活動がExtracurricular Activityとしてレジュメに書ける取り組みとなり、またここで出会った方が推薦状を書いてくれることになったので、遠回りした甲斐はあった。

2020年11月
努力しても努力してもGMATが伸びない。
ちょうどこの頃劇場版鬼滅の刃が大ヒット。当時は知らない作品だったが、さすがの社会現象を無視できず、また気分転換を兼ねて映画館へ。
終盤、主人公が顔をぐしゃぐしゃにしながら「悔しいなあ。何か一つできるようになってもまたすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。凄い人はもっとずっと先のところで戦っているのに、俺はまたそこにいけない」と号泣するシーンに、GMATを乗り越えられせいでいつまで経っても出願ができず自暴自棄になっていた自分を重ね合わせ、一緒に泣いてしまった。この時点でR2が間に合わないのはわかり切っていたので、21年9月入学は諦める。 受験も実質中断。

2021年1月
新年の計で「打倒GMAT!」と書き殴った。気持ち新たにGMATの勉強を再開。コロナ第三波が悪化していたこともあり、友人の誘いなど断れるものは全て断り、一心不乱にペンを握る。週に40時間くらい?1月~3月は人生で最も勉強しただろう。

2021年4月
3ヶ月の本気の勉強の成果を発揮する時がきたと感じた。初GMATは、当時まだローンチ直後だったGMAT Home Editionにて受験。結果は610点 (V27, Q48) 。1年で5回、人生で8回しか受けられない試験を初めて受けるプレッシャーに押し潰され、試験前日はほとんど寝られなかった。難易度の高いこの試験を攻略するにあたって、いきなり上手くいくとも思っていなかったが、流石に凹んだ。出直すことを誓う。

2021年6月
半年弱に及ぶ勉強の成果もあり、Prepで目標の700点近くを取れるようになってきた。2回目のGMAT本試験を予約。当時名古屋に赴任していたため、かつ会場が東京にしかなかったため、試験前日は西新宿のテストセンター近くの宿(ダイワロイネットホテル西新宿 premier:綺麗で静かなのでオススメです)に泊まり、状態を万全にするべく準備するも、今回も緊張しすぎて殆ど寝られず。結果650点(V32, Q48)となんとも微妙な点数を獲得。半年も必死にやったのに目指していた700点に届かないのかという気持ちと、40点の点数アップは悪くないのでは?という、相反する気持ちがせめぎあう。一応学校にもスコアを提出。本試験の振り返りをしつつ、早期の3回目受験を誓う。
あと少しやればGMATも卒業できる気がしてきたので、21年度R2出願をここに決意。カウンセラーとも接触を開始し、個人的に信頼できると感じたL-inkの木下さんとHaldeman ConsultingのSamを契約。前者はMBA受験に留まらないキャリアアドバイスをしてくれるような方で、「合格させるためのキャリア設定」ではなく、受験生のやりたいことや志向に沿ったアドバイスをしてくれると感じた。後者はまだ日本でそれほど知名度が(当時)高くなかったアメリカ人のカウンセラーだったが、UCLAのMBAセミナーで印象がよかったことや、そういった方の方が結果に貪欲で良いアウトプットを出してくれるのではないかと考え起用した。早速アイディア出しやゴール出しを開始。GMATでかなり煮詰まっていたので、他の受験準備をできる幸せを感じた。

2021年7月
Prepでも730~750点が出るようになり、自信がついてきた。人生最後のGMAT受験にすべく、再び3回目の試験を予約。私費受験かつ地方在住者にとっては費用の観点から極力GMATの受験回数を少しでも減らしたい。試験前日は東京オリンピックの開会式だったが人生懸かっているのはこっちも同じだ!と言い聞かせ、中継は一切見ずにGMATのテキストを読み込む。西新宿の常宿に泊まり迎えた3回目。前回から修正して臨んだ三度目の正直は、これまでにない「抜群の手応え」。しかしながらGMATという、一問ごとの出来不出来で次の問題の難易度が変わるというCAT形式の試験で手応えを感じてしまうのは、大滑りしている兆候なのだ。結果は580点(V21, Q50)。白い画面に映し出されるその点数を見た瞬間に視界が真っ暗になった。しばらく立ち上がれず、辛うじて退席するものの、同試験会場ビルの1階で茫然自失。朝から何も食べてないはずなのに、吐き気がした。30分ほど現実を受け入れられず、その場から動くことができなかった。当然スコアもキャンセル。何のために遥々名古屋から東京まで高いお金をかけて試験会場にゆき、ホテルまで泊まり、300ドルもする試験を受けて、キャンセルしなければいけないのか。もう全て辞めてしまおうかと思った。肉体的、精神的、経済的ダメージがピークに達する。

2021年8月
もう既にGMATの学習を開始してから1年5か月が経っている。何か抜本的な変化を加えねば、自分の地頭ではいつまで経ってもGMATを卒業できないのではないか?と、とてつもない不安に連日悩まされる。
G-Prep中山先生に泣きつき、個別でアドバイスを貰い、励まされ、自信を取り戻す。更に何かを変えるべく、独断でインドのGMAT教材、”e-GMAT”に手を出す。これが思いの外マッチしているような感じがして、無我夢中で取り組む。勉強しすぎておかしくなったのか、何故かGMATの勉強が堪らなく楽しく感じるようになる。この頃は週に最低40時間、時に50時間を超えて勉強していた。

2021年9月
GMAT4回目。いよいよ残機が減ってきており、日々の勉強に人生が懸かっているような感覚を持ちつつ机に向かう日々が続く。とにかく辛い。これだけ勉強しても成果が出なかったのだ。今回も変わらないかもしれない…と思いつつ受けた4回目。ここで奇跡の700点を辛うじて出すことができた!Home Edition中のトラブルでVerbalの試験中Proctorから邪魔をされ、2分ほどロスしたことが非常に悔やまれる。悔しかったため、またR2を目指す上ではほんの少しだけ余裕があったので、5回目でUS トップ校の平均となりつつある730点を目指す。更に修正を図り翌月再リベンジするも結果は680点。制限の5回に達したため、晴れ晴れした気持ちで西新宿を後にする。この時見上げた、高層ビルの隙間から除く西新宿の空は、限りなく澄み渡っていた。

2021年10月
推薦者へ推薦文を依頼。断られる恐怖もあったが、全員が快諾してくれて背中を押してくれたことがとても嬉しかったことを覚えている。再び繁忙期になりあまりエッセイに手がつかない。

2021年11-12月
受験の佳境であったものの、3週間に及ぶ海外出張へ行くことが決定。R2のスコアアップデートをするにはもうこのタイミングしかない!と思い、フライトの5日前と2日前にTOEFLを捩じ込む。ビザ取得のためパスポートをトラベルエージェントに送っていたが、試験を受けるのにパスポートが必要なことを忘れていて、相変わらずの綱渡り状態。試験前日に無事にパスポートを回収。試験自体はGMAT修行を経た1年9ヶ月ぶりのTOEFLということで余裕をこいていたが、結果は両方ともピッタリ105点。HBS出願要件となっている目標の109点に届かず。
加えて、出張中にエッセイをやらねばR2が絶望的なことはわかりつつも、ただでさえ忙しい出張中にエッセイなぞ書ける訳もなく、12月中旬の帰国後漸くエッセイの作成を開始。シーズンハイで忙しいながら添削に付き合ってくれたカウンセラーに感謝しつつ、年末年始も正月返上でエッセイを書き上げる。無事に5校へ出願。(Wharton, Tuck, Cornell, UCLA Anderson, IESE)

時を少し遡り、各在校生にコンタクトを取り、週末を使いCBS、HBS、MIT Sloan、Dartmouth Tuck、UCLA Andersonにキャンパスビジットを実施。どの学校も素晴らしく良かったが、Dartmouth Tuckに群を抜いて惹かれ、直感的に「ここで自分は学ぶのだ…!」という思い込みが生まれる。この日以降、ぶれることなくDartmouthへの愛を一途に貫くこととなる。

2022年1-2月
出願後一週間くらいでUCLA AndersonからInterview Invite受領。更にその数週間後にIESEからも受領。IESEのAssessment Dayで、同じグループのパワフル系のインド人女性と意見を対立させてしまったがために、こちらの分が悪くなり最悪な印象を残したまま挽回できずに終戦。少ししてCornell JohnsonからもInterview Inviteを受領。第一志望のTuckとWhartonとからは一切の連絡なし。

2022年3-4月
UCLA Anderson、IESEから合格通知。他3校からは不合格通知。そもそも志望度の高いところしか出願していなかったため、両校とも志望度が高かったが、それ以上に志望度が高いDartmouth Tuckに行かない人生、自分の直感に100%従ったと言えない人生を送って、この先後悔は無いだろうかと毎日のように自問自答を繰り返す。熟考の結果、長年の夢だったMBA合格を敢えて手放し、再受験することを決意。

殆ど時を同じくして、米国駐在の内示を受ける。

2022年9月
駐在することを決めた時点で、次回MBAを目指すことができるのは海外駐在の任期を全うした3-5年後だと考えていた。米国に駐在することも、今の会社に入るときの夢だったからだ。しかし、赴任して3ヶ月が経ち、「自分はこの仕事がしたくて、2年の必死の努力の末に勝ち取ったMBA進学を放棄したのか?」と自問自答を繰り返す日々が続く。丁度米国ではテニスのグランドスラムのUS Openが開催されていて、大きな盛り上がりを見せていた。
若干20歳の男子選手が記録を打ち立てグランドスラム初優勝するその眩しすぎる姿を見て、「スポーツを通じて得られる感動、って何故こうも心を震わせてくれるのか」「こういう感動こそが自分が人生で一番価値を感じられるものでは?」と考えさせられ、MBAを再受験することを決意。少し挑戦的な切り口であることは自覚していたが、MBA Essayで頻出のWhat matters to you the most? という類の問いに対して、「スポーツ観戦を通じて得られる感動、それをテクノロジーの力で人々に届ける仕事がしたい」と書くことにした。

2022年11月
TuckのR2へ向けて連日準備を開始。Tuckは12/1までに提出すれば面接が確約されるという少々と特殊な仕組みを導入していたので、昨年度面接に呼ばれなかった反省も踏まえ、11/30にアプリケーションを提出。翌日にInterview Inviteを受領。

2022年12月
SamとMock Interview。
MBA受験2年目、エッセイ執筆段階から入念に練っていたこともあり、Mockはたったの一回のみでGoサインが出て、自信を持つ。12月中旬にInterview実施。確約されていたとはいえ、2年越しにInterviewに辿り着いたので、Interview自体はかなり楽しめた。

Interviewの手応えが比較的あったので、やれることは全てやろうとスコアアップに再び取り組む。TOEFLは特に心許ない気がしたのでスコアアップを狙い、1年ぶりの受験。結果、106点。この辺りが自分の実力値なのかと落ち込む。

2023年1月-2月
正月明けに他1校出願。インタビューも実施。この頃になるとインタビューももう何回もこなしてきてきたので、ほぼノープレッシャーでできた。最後に、人生最後と決めたリベンジTOEFL(もう8回目)に臨み、無事にスコアアップデート。過去最高点となる109点を各校に提出。

他に何かできることは無いかと考えた結果、学校を訪ね、意思決定者たちに直接アピールすることを考える。Admissions Officeと言えど、人だ。最後はビジネスと一緒で、良いと思ってもらえれば、多少GMATが低くとも、一緒に仕事したい/学びたいと思うのではないか、と考え、商社流の営業をかけにいった。Director of Admissionsに直接メールして、会いたい!と。これは今思えば賭けだったと思う。
結構本番のインタビューよりインタビューっぽいことを聞かれた。(例:12月のインタビューからアップデートはある?仕事はどう?など)。他にも在校生の方とお会いしたり、サッカークラブの練習に混ぜてもらったり、Tuck 名物のTripod Hockeyの決勝戦を観戦したりなど、充実したビジットとなり、Tuckへの想いを更に固める。

2023年3月
忘れもしない3/16。この日はTuckの合格発表日。この学校は合格者には電話をかける学校だ。
朝からClear Admitの掲示板にへばりつく。流石に午前中には来るだろうと高を括っていたが、来ズ。
同じ地域に住む人が、電話がきた!と投稿していたのを見て、落ち込む。もう駄目かもしれないと諦めかけていた14時30分。携帯が振動し、画面を見たらそこには “Dartmouth College”の文字が!3秒深呼吸をして電話を取る。Congratulations! You are admitted to the class of 2025! と言われたその瞬間、長かった、本当に長かったMBA受験が終了したのだ。このときのことは生涯忘れないだろう。

Q. 大学院や受験方法についての情報収集はどのようにして行いましたか。(Info session, OB/OG訪問、Campus Visitなど)

一番最初はAGOS。夏祭りは2年連続で受験生として参戦。その結果、自分がどこに惹かれるかのスクリーニングをできたので、以降は興味のある学校のInfo Sessionに参加。最初は日本人向けのInfo Sessionは学校に関わらず全て出るようにしていました。

Q. 受験準備にかかった費用について、教えてください。

計317万円

試験代:56万円
予備校代:120万円
カウンセラー代:93万円
アプリケーション代:22万円
キャンパスビジット代:22万円

Q. 留学にあたって、必要費用(受験費用や、進学後の授業料・生活費等)はどのようにして調達しましたか。

受験費用は貯金。進学後の授業料は社費派遣のため派遣元

<スコアメイク>

Q. TOEFL/IELTSについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別(R/L/S/W)の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)

兎にも角にも単語が重要と言われたので、最初は3800、その後にiknow!にあるTOEFLのコースは全て取り組みました。
SpeakingとWritingは最初のみAGOSのコースを受講。そこで試験の特性や全容を掴み、あとは自己学習しました。
Speakingについては23点を超えるのは至難と言われていたので、Speaking対策でE4TGにも1ヶ月通いましたが、効果があったかは定かではありません。(個人的にE4TGは全然合わず、一ヶ月で退会)

あとはETSの出している公式模試やPracticeの教材でひたすら演習。100点を超えてからはGMATに移行し、根本的な英語力向上を図ることを推奨します。(そうするとReadingが難なく満点近く取れるようになるので)

Q. GMAT・GREについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)

・AGOSのGMATコース(V,Q,AWA,IR全て)
最初にGMATの全容を掴むために活用しました。AGOSの教材の金額は高かったものの、実績のある予備校の信頼できる教材を使って早くGMATを終わらせるほうが大事かと考え、頼りました。

・GMAT重要単熟語
AGOSと中山先生監修の単語帳。mikanというアプリにも入っているため、そのアプリを重宝して出てくる単語の全て暗記するようにしました。

・e-GMAT
インド人のおばちゃんが有名な教材。破格の安さとコンテンツ量。GMATで高得点を叩き出しまくっているインド人が多いのも事実なので、インド産の教材も参考にすることは一定の合理性があるのではないかと考え、活用しました。但し、一部の回答手法が中山メソッドと異なりましたので、それらについては中山先生の教えに忠実に従うようにしていました。

・Gprep
中山先生が指導し、提供しているサービス。まず間違いがないことを改めて強調。この方についていけば間違いないと思います。

以上4つの教材、サービスを活用しました。

Q. 上述のカウンセラーに決めた理由、及び当該カウンセラーに対する感想を教えてください

多くの合格者が言う通り、カウンセラー選びの重要性は計り知れません。自分は計4人のカウンセラーと接点を持ちました。

I. AGOSの方
大手予備校のAGOSの出願対策フルパッケージを申し込み、アサインされたカウンセラー。出願プロセスの確認や、志望校選定など。

II.L-ink木下さん
メインカウンセラー。本当に自分の目指したいキャリアを理解し、共感し、助言してくれる方を求めて辿り着いた方です。カウンセラー歴30年以上の大ベテランで、自分の状況に近い過去の先輩方の事例をドラえもんの四次元ポケットのようにドンドン紹介してくれるのがとても面白く、また参考になり、重宝しました。受験一年目の進捗管理や出願校の絞り込みなどで大変お世話になりました。この人のお陰で今があると言っても過言ではありません。一方、実際のエッセイの添削については別のカウンセラーを紹介してくださるので、丸っと全部お世話になりたいと考える場合には最初から他の方をあたった方が良いと思われます。また、もう比較的ご高齢で、あと数年で引退されるそうで、新規生徒は紹介のみで受け付けるそう。もしご興味ある場合は当方までご連絡いただければお繋ぎいたします。

III. Nish
木下さんから紹介された日本で活躍する外国人のカウンセラー。超多忙。故になかなかスロットの確保が難しい。しかし、面接練習とエッセイの添削において秀でた実力を持っています。彼の一番好きな点は、なんといっても優しいところ。只でさえナイーブな受験期に辛辣なフィードバックをしてくるカウンセラーは、正直向き不向きがあると思います。自分は傷に塩を塗ってくるカウンセラーより、Nishのように優しくも的確なアドバイスをくれる方がモチベーションも上がるタイプだったため、Nishにはとても感謝しています。オススメの方。

IV. Sam
メインカウンセラー。UCLA Anderson MBAを数年前に卒業しているので、MBAの最近のトレンドや入学審査官の視点をご存知で、それらに基づいた「完成度の高い」アドバイスをしてくれます。また、日本人にとっては大変ありがたい、アメリカ人の書いた文章のようなエッセイの添削をしてくれます。そのため、自分の書いた拙い文書が驚くような進化を遂げて返ってきたりします。これは、文字数制限がタイトなエッセイの中で伝えなければならないことを伝えきるうえでは、非常に助かる点です。2年目のTuckに受かったエッセイは、前年の反省を活かし、時間に余裕を設けてSamと丁寧な摺り合わせを行ったうえでエッセイを書き上げ、最後にはSamにテイラーしてもらい、完成させ、結果も出たので、彼の実力は証明されたといえるかと思います。とてもオススメします。

Q. エッセイについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。

木下さんと頭出し、ゴール設定をディスカッションの中で進めていき、ドラフト。
何往復かやり取りしたあと、英語に直しそれをSamに見てもらいました。

MBAを目指す上でのゴール設定(Long term goal / Short term goal) は本当に苦労しました。上記のプロセスの中で、片方がOKしたものが片方には受け入れられなかったり、その逆が起こったりと。再度同じプロセスを経るなら、なるべく多くの在校生、卒業生に話を聞き、ロールモデルを見つけ出し、その方の経歴に沿ったエッセイを書くのが良いかもしれないと思います。

一つだけ注意点を挙げるとすれば、エッセイの作成のための時間はじっくりかけた方が良いです。前述の通り、1年目のR2出願時は12月15日頃に作成を開始して、上位校は軒並みはじかれてしまいました。また、私も英語はそこそこ得意な方で生きてきましたが、普通の日本人ができない言い回しやフォーマルな文書の書き方というものが存在するので、そこはネイティブのカウンセラーの力を借りて洗練された文書を書いたほうが良いと思われます。

Q. 推薦状について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。

推薦状の執筆は推薦者にも大きな負担がかかるので、1人あたり最大3校になるように、計4人の推薦者に依頼しました。推薦状の趣旨を踏まえると、こちらがドラフトしてサインをお願いするという時々巷で聞くスタイルは少し違和感があったので、全員にゼロベースで書いていただくようお願いしました。但し、それを受け入れて貰えるよう、こちらの目標やWhy MBAは丁寧にご説明するようにして、摺合せを行いました。

Q. インタビューについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。

練習あるのみです。一般的にMock Interviewをこなすことが重要と言われていますが、カウンセラーを使うと一回のMockも30000円以上かかる計算になるので、私費受験していた身としてはあまり使いたくありませんでした。そのため、予め原稿、想定問答集を徹底的に作りこみ、反復練習に打ち込みました。Mock自体は回数こそ少なかったですが、一人での練習や自分でビデオ撮影してのリハーサルは何度も何度も繰り返しました。

Q. エッセー及びインタビューを通じて、自己PRとして、どのような内容をアピールしましたか。

海外経験、総合商社らしい、重厚長大で関係者が大多数いる事業を推進するにあたってどのように振る舞ってきたか。
将来像、学校と自分が合っていると感じている理由など

<学校選択>

Q. 受験校はどのように選択しましたか。

2020年頃から、AGOSや海外MBAドットコムのイベントで複数の学校の説明を聞ける機会に、興味のある学校をすべて聞きました。そこから、各学校のイベントなどに参加したり、個別でチャットの機会をいただくべく在校生にリーチアウトしたり、能動的に情報収集するようにしました。

会話を重ねて行く中で、いくつかの軸が浮かびあがりました。そのうちの一つが、スモールスクールであることです。これは自身の性格や人付き合いの仕方に起因するところであるのですが、浅く広い付き合いをするよりは人生ずっと付き合いを続けていけるような深い関係を築ける環境に身を置きたいと考えました。従い、Tuckのようなスモールスクール、またその環境は自分にまととなく魅力的に映ったのです。

Q. 進学校の決め手は何でしたか。

キャンパスビジット、在校生の醸し出す雰囲気(人間性)。
私がTuckを第一志望として受験することになった最大の理由はキャンパスビジットしてその学習環境や周辺の風光明媚な景色に惚れ込み、「どうしてもここで2年間を過ごしたい!」という想いが芽生えたからです。こちらの動画にその魅力の一部が見られますので、学校公式のYouTube動画のリンクを記載します。https://youtu.be/6U7oa0QhJKA

<その他>

Q. キャンパスビジットを行った場合、実施時期や内容について教えてください。(ビジット実施校、実施時期、実施内容、訪問した人、選考においてどのような効果があったか、など)

前述のとおり、21年シーズンに最初のTuckのビジットを行いました。ほかにも、ウォートン、コロンビア、ハーバード、MIT、UCLA Andersonなど、自分のレーダーに入っていた学校は全てビジットして、人にも会い、学校や人の雰囲気を掴むようにしました。2年間という貴重な時間と数千万円という膨大な費用を投下する先を、自分の目で見ないことは考えられなかったためです。多くの学校が日本人やアジア人のクラブがあるので、そこを通じてコンタクトしました。
22年シーズンはアメリカに駐在していたこともあり、ウォートンとTuckの公式のキャンパスビジットに足を運びました。
選考における評価については、基本的にはビジットの有無は関係ないのではないかと思います。ただ、Tuckに関してはアメリカでもかなり田舎の方にあるため、そのような田舎まで足を運んだということ、キャンパスをその目で見た上で惹かれているとアピールできれば、入学意欲を伝える際の説得力はあがるのではないかと思います。

正直、選考における評価なんかより、ビジットをして自分の五感と全身でその場の空気を感じて、そこで学ぶことにお金と時間を投下したいと思える感覚を持てるかどうかの方が重要だと思います。私はTuckのキャンパスを訪ねてから、そこ以外で学ぶことは殆ど考えられませんでした!

Q. 奨学金に応募をした場合、奨学金の内容や応募方法などについて教えてください。

出願時に応募。合格時に金額を通達される。
合格後、神山財団にも応募も落選。

Advice and messages

Q. 失敗談や後悔していること、もっと早く知っておきたかったことなど、今後受験する方々へのアドバイスがあれば教えてください。

<アドバイス>
私は負けず嫌いな性格から、最後までGMATとTOEFLに執着してしまい、GRE/EAやIELTSへ切り替えることはできませんでした。
ただ、最近は両試験とも色々と試験形態が変わっているようなので、柔軟に切り替えることが得策かと思います。

…後悔はないです。確かに人より時間がかかってしまいましたが、そのプロセス全てに意味があったと今では思えていますし、そう思えることが大事なのではないかと思います。

Q. 一言メッセージ

諦めようと思ったことはなかったものの、もうダメかもしれないと思ったことは何度かありました。受験で仕事もプライベートも中途半端になったり、無理してやったことの皺寄せがいったり。スコアメイクが終わっても、推薦状やエッセイについての悩みは尽きないし、それらが解決してもインタビュー対策のことを考えると気分が暗くなる。記録的な円安、インフレに起因するお金の心配は慢性的な病のように心を蝕む。それら全てを投げ出して、受験をしない人生を送れたらどれだけ楽か。それでも私は逃げたくなかった。心配で心配で眠れなくなる夜を何日も過ごして、それでも眠い目をこすって机に向かい、歯を食いしばって、結果に貪欲に日々の小さな努力を積み重ることができるかどうかがきっと大事なんだと思います。

それは受験に限らず、人生でずっと直面することだろうから。こんなところで「逃げ癖」をつけたくなかった。

犠牲にしたものも沢山ありました。でも、結局は取捨選択なのです。自分が本当に手に入れたいものは何か、欲しいものは何か。
それを日々自問自答して、それでもMBAに行きたいのであれば、あとはやるしかないです。
MBA受験という山を登ることへの風当たりは、日本ではまだまだ強いと思います。殆どの日本の大企業ではまだ理解を得づらいのではないでしょうか。
一方で、そもそもこのチャレンジ自体に取り組める体力、胆力、気力、(残酷ながら)能力のある人も限られているのもまととない事実です。
だからこそ、この文章を読んで下さっている貴方の成功を心から願っています。孤独で、報われるかも分からない先行きが真っ暗な勝負に挑むと決めた貴方を心から尊敬しますし、応援しています。お力になれることがあれば微力ながらではありますが、TuckのPay it forwardの精神で私もご協力させていただきたいと思いますので、いつでもお声掛けください。

最後に、私費受験生として何年も慎重に学校選択をしてきたからこそ、(まだ入学前ですが)私はTuckが世界で一番良いMBAプログラムだと心から信じています。
日本出身のTuckiesが一人でも多く増えることを願っていますし、是非このインナーサークルに入って世界を共に動かしていく仲間と出会えることを楽しみにしています!
New Englandの大自然に囲まれた歴史と伝統の街、Hanoverでお待ちしております!

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